ルツに恋して

第153話 ルツ 1章 あなたの民は私の民

 聖書66冊の中で、女性の名前が書かれているのは二つです。一つはエステル記ですね。ここからはもう一人の女性、ルツをご紹介致します。


 ルツ記は四章あり、見事に起承転結になっています。筆者は預言者サムエルです。


「裁き人が裁きを行っていた時代に飢饉が起きた」ルツ1:1 こう書き始められているルツ記です。ユダのベツレヘムが飢饉だっのです。


 主人公ルツはイスラエル国民ではありません。

 死海の東にある小国モアブ人です。モアブの野は肥沃で作物が獲れました。ルツは両親健在の元、すくすくと成長していました。


 そんな頃、ユダからある家族がモアブに移り住んで来ました。飢饉ですもの仕方ありません。生き抜くためだ キメろtake あっ、エリメレク。


 エリメレクって誰やねん!移住家族の父親です。名前の意味は「私の神は王」です。妻はナオミです。「私の快さ」という意味の名前です。


 息子が二人います。マフロンとキルヨンです。残念な事に名前の意味は、マフロンが「弱くなるや、病気になる」キルヨンが「終わりを迎える者」です。親の顔が見たいです。日本人なら「モヤシ」とかでしょうか?知らんけど。


 やがて、父親のエリメレクが死にます。栄養足りなかったのでしょうか?やもめになったナオミは必死で息子を育てました。息子たちは、無事に結婚します。キルヨンはオルパというモアブ人と、そしてマフロンがルツと結婚するのです。


 イスラエルの民は、モーセのおきてに従って、同族から嫁を探さなければいけませんでした。ナオミはきっと戸惑った事でしょう。しかし嫁二人をとても大事にします。


 しばらくして、名前の通り息子たちは死にます。夫を亡くし、あいついで二人の息子を亡くしたナオミ。モアブの地に来て10年が経とうとしている頃の悲劇です。泣く、泣く落胆。嫁二人も夫を亡くして、途方に暮れる。泣く泣く落胆。「なんで、モヤシなんですか?せめてツヨシなら」


 ナオミは決心しました。風の噂で故郷のベツレヘムは飢饉が終わり、豊かになったと聞き、嫁たちとモアブを出ようと決心しました。


 しかし、ナオミは将来を不安に思ったのでしょう。モアブから出る寸前、嫁たちにこう言います。

「さあ、二人とも実家に帰りなさい。神があなたたちに揺るぎない愛を示してくれるでしょう。あなたたちは、私と息子たちに忠節な愛を示してくれたからです。あなたたちが夫を見つけ、安心して暮らせるように、神が助けて下さいますように」 ナオミは嫁たちの幸せを願いました。


「お母さんの国に一緒に行きます!」

 オルパもルツも泣きながら答えます。本当に姑のナオミを愛していたのです。うっ、泣ける。


 私なら、旦那死んだら実家に帰るけど。姑の事が好きでも、親が健在なら、帰ります。だって生まれ育った土地離れて、知らない土地に行くの嫌だし、再婚したいし、ぶつぶつ。


「二人とも帰りなさい!一緒に来てどうするの!

もし、私が誰かと再婚出来て、男の子を産めたとしても、その子達が大人になるのを待てないでしょ!その間あなたたちは、再婚出来ないのよ。二人とも帰りなさい!」ナオミはもう一度説得。


 同じ関係を続けるための唯一の方法を提案します。ナオミさん、無理です。たぶん閉経してます。知らんけど。


 また二人とも大泣きします。オルパは姑の頬に口づけしてナオミの言う通り実家に帰りました。


 主人公ルツはどうするでしょうか?ルツも実家に帰ったら物語が終わります。

「お母さんを見捨てて帰れとは言わないで下さい!お母さんと同じ所に行き、同じ所で夜を過ごしたいんです。お母さんの民は私の民、お母さんの神は私の神です。お母さんと同じ所で死に、そこに葬ってもらいます。生きている限りずっと一緒にいます!」


 ルツの台詞にウルッとするデバネズミ、あっ間違えた、ハナスです。嫁いだ先の宗教をも受け入れるという覚悟なんですね。死んだら一緒の墓に入る覚悟もしています。ルツ、アッパレ。


 姑のナオミは説得するのを諦めました。ルツと一緒にベツレヘムに行く事にします。


 二人のやもめはこれからどうなるのでしょうか? ナオミ、ルツがんばれー!

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