第112話 エリシャ 4つの奇跡 1

 列王記第二4章にはエリシャが行った奇跡について書かれています。しかも4つもあるのです。


 今回、星都ハナスは、神様にお願いして、直接エリシャにインタビューする許可を得ました。


ハナス――こんにちは、エリシャさん、あなたが行った4つの奇跡について伺います。どんな奇跡なのか、またどうして行う事になったのか、お気持ちも交えてお話下さい。


エリシャ――はい、分かりました。まず、ひとつ目なんですが、私を慕っていた預言者が亡くなったんです。たぶん病気でしょうかね。彼は神を畏れる忠実な預言者でした。で、彼の妻が私に心配事を話してくれたんですよ。


ハナス――どんな事でしたか?


エリシャ――夫が借金残して死んだから、息子二人が、債権者の奴隷にされるという不安でした。

 夫を亡くして、息子までも取られたら……可哀想になりました。なんとかしてあげたいと思ったんですよ。目がうるうるして、役に立ちたくて。


ハナス――エリシャさん、優しい!それで借金の肩代わりですか?それか、再婚の立候補ですか?


エリシャ――んなわけ、って私お金ないですもん。売れる物といえば、この毛皮くらいだから。

あとですね、私男性ホルモンめっちゃあるんですよ。若い娘の方が嬉しいです。


ハナス――ハッ、ハゲて、いや、何でもないです。ばっちい毛皮はエリヤの形見ですから、売ってはいけませんよね。で、どうしたんですか?


エリシャ――油の壺ですよ。彼女の家には1つしかなかったから、近所から空いた壺を借りてきてもらいました。かなりありましたよ。彼女の油を空の壺に入れるんです。全ての壺を油で満たしました。それを売ってお金にしたんです。


ハナス――あっ、その奇跡をエリヤもやってましたよ。手っ取り早い返済方法ですね。息子達に肉体労働させれば良かったのに。遠洋漁業で結構稼げますよ。あっ、ごめんなさい。神様から知恵を与えられ、その奇跡を行ったんですよね?


エリシャ――そうですよ、ハナスさん。私は神の預言者なんですから、奇跡を行ってナンボです!

まあ、油が一番高く売れますからね。


ハナス――私、空っぽの財布持ってるんですけど、満たしてくれますか?あっ、神様を怒らせちゃうわ。ごめんなさい。では、気を取り直して二つ目の奇跡を教えて下さい。


エリシャ――私、よくシュネムの町に行くんですが、今度はめっちゃ金持ちの奥さんに会ったんですよ。それで、食事をすすめてくれました。エリヤはカラスから食事を提供、ブッ、失礼、私は人間の女性から誘われました。ホルモン、……え~とフェロモン出てるんですかね。困るなぁ。


ハナス――ボケ要りませんから。で、私知ってますよ。食事のもてなしを何度も受けたんですよね。エリヤが知ったら残念がるでしょうね。て、あなたがいい思いした話じゃん!奇跡を教えて下さい。でも、少し休憩取りましょうか。


エリシャ――そうですね、じゃあ、自分で言っちゃいますね。エリシャがんばれー!

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