ソロモンに恋して

第20話 ソロモン 知恵を求める

 ダビデロスです。恋しいダビデはちょっとおいておき、聖書の中のお宝を掘り起こしていきますね。


 ここからはソロモンです。興味のある方はお付き合い下さい。お忙しい中、続けて読んで下さる方に前もって感謝申し上げます。


 ダビデが亡くなったのは七十歳。その時、ソロモンはまだ十代の若者でした。五十才過ぎてからの息子は格別可愛かったでしょう。

 

 ソロモンという名前は「平和」を意味します。血をたくさん流してきたダビデは、平和を願って息子にその名前をつけたのも頷けます。

 

 日本人なら、勝利(かつとし)さん、勝さん、勇さんが、優人(ゆうと)君、和平(わへい)君てつける感じかな? 


 ダビデは死の床でソロモンにこう言います。

「あなたは強くあって、男らしくありなさい。そして、モーセの律法に書いてあるところにしたがって、神の法令とおきてと司法上の定めと証を守ることにより、神に対する務めを守らなければならない」

 

 ソロモンはお兄さん達と違ってとても素直でいい子。すぐにモーセの律法通りに焼燔の犠牲を捧げます。


 神様は喜ぶ。ソロモンを王様に選んで良かったとソロモンの夢に現れます。

 

 聖書の神様はよく夢でコンタクトとります。眠っている間に幻を見させたり、導きを与えました。アブラハムやモーセ、ノアは直接コンタクト。サウルやダビデは預言者を通してコンタクト。天使経由もあり、相手によって意志の疎通の図りかたが違います。


 神様は夢の中でソロモンにこう聞きます。

「ソロモンよ、あなたは何が欲しいですか?」


ソロモン、こう答えます。「私は若者で支配の仕方が分かりません。ですからあなたの民を正しく治める知恵を与えてください!」



 学級委員長ですか? 若手政治家ですか? 

「問題に首尾よく立ち向かえるよう、ご指導ご鞭撻のほど宜しくお願い致します」みたいです。


 けれど、ソロモンは知恵だけでなく、神様に従う従順な心まで求めている。本物です。お父さんの言い付けをよく守り、立派な王様になるんだという心意気を感じます。


 神様はもっと喜ぶ。頭撫でたかったでしょうね。


「長生きすることや、富を得ることを求めないで、知恵を求めたので、私はあなたに、今までの誰よりも優れた知恵を与えます。またあなたが求めなかった富と誉れとを与えます」と約束して下さいました。


 ふーん、そうなんだ。神様ってそういう感じなんだ。「私が落としたのは木の斧です。金でも銀でもありません」と欲張らない人には全部くれんですね。勉強になります。このご時世、当てはめるかどうかは別ですけど。


 けれど、ソロモンは本当に、神様から知恵を与えられたという事が実証されました。


 イスラエルの民は解決出来ない問題があると、最後は王様の元に持ってきます。

 

 ふたりの売春婦がソロモンの所にやってきました。二人とも売春宿で同じ頃、男の子を産みました。なぜか夜のうちに一人の方の赤ちゃんが死にました。お互い、死んだのはあなたの赤ちゃんで、生きてる方が私の赤ちゃんだと言い張り譲りません。赤ちゃんの取り合いです。


 ソロモンはどうするでしょうか?現代なら血液型調べたり、遺伝子鑑定ですぐわかります。


「生きている子供をふたつに切って、それをふたりに分けなさい!」と剣を持って来るように命令しました。まぁ仲よく半分こ。って食べ物ではないので無理。


「どうか、子供を殺さないで下さい。その子をあの人にあげて下さい」と本当の母親は叫びました。嘘をついてたもう一人は、「どうぞ子供を断ち切って下さい」とサイコ発言。


 ソロモンは本当の母親が分かりました。もちろんサイコ発言の女ではありません。本当の母親は子供を深く愛しているので、子供を殺すまいとして、一方の女に与えようとします。


 母親のバテシバに深く愛されたソロモン。愛されて育つ環境って大切です。


 この問題解決方法により、民は賢い王様を持っていることを喜び、ソロモンの権威が非常に強化されました。何より、神様から知恵を与えられた王様であることの証明です。


 ソロモンの知恵は箴言の書にまとめられています。三千の格言を語ったと言われる王様です。


 次回は、今でも役に立つソロモンの格言を少しご紹介したいと思います。


 


 


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