とある字書きのリハビリ記録

第33話 小説の才能とは

　思うに、人間としての分厚さ。ストレージの大きさだと思います。早い話が、経験豊富で記憶力に長けた人が向いてると思います。ここが、小説の神様の非情なところです。小説ばっかり書いてるからっていい小説が書けるとは限らない。むしろ実体験の分厚さがモノを言う。想像力ってそういうものだと思います。

　わたしは基本的に、プロで活躍してる作家はバケモノ……完全に別人種だと思ってるところがあって、どれだけ研鑽しても自分にはプロのような小説は書けないと思っています。そもそも、物が違うんだと。

　特に記憶力ですね。経験はがんばればなんとかなる部分ではありますが、記憶力は天与のものですから。作家なんてやってる人たちはきっとみんなえげつない記憶力の持ち主に違いないと思うのですよ。そうでなきゃ描けないよこんなのっていう作例がいっぱいありますもの。自分にはとうてい真似できそうにありません。