第71話 セブンスターバプテスマ
「なによ、あの子・・・・・・」
北伊勢市立
「どこの小学校だよ」
入学式というものは、知らない顔も多く、雑談も少なめでたいてい静かだったりする。だが、今年の七星中学の入学式は教職員・生徒ともにざわざわとしていた。
それでも入学式はさして影響も無く、最後までプログラムを終えることができた。
翌日、新入生たちが登校し、それぞれの教室へと移動する途中のことであった。
「おい」
さっそく来たなと、
「なにかしら?」
「ちょっとツラ貸せよ」
体育館裏に連れて行かれるのかと少女は想像したが、学校近くの河川敷まで移動させられ、その景色に開放感を覚えた。そんな伸び伸びしているシチュエーションではまったくないのにもかかわらず。
「おまえ、名前なんて言うんだよ」
不良グループのリーダーらしき少女が問うた。
「マリアよ。安倍マリア」
「ふざけてるのか? その頭。新入生がいきがってんじゃねーよ」
「生まれつき。と言っても、信用してもらえなそうね」
「誰が信じるんだよ、そんなの。実はハーフです、ってか? バリバリ日本語しゃべってるじゃねーか」
「私の家系もご先祖様は謎なんだよね」
イライラする不良たち。
「
手下に促されると、グループリーダーの南野が、カッターナイフの刃をスライドさせて、マリアの髪を切り落とそうとする。
「あ~ら、正当防衛成立ね」
マリアがオーソドックスに構えると、左前足で南野のナイフをはたき落とした。続けて空手の教科書に出てくるような見事な
「あ、あ、・・・・・・」
生まれてこのかた、父親にも殴られたことのなかった南野は、慌てふためいた。
「まだやる?」
不敵な笑みを浮かべるマリア。
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