第5話 棟梁、登場
「♪♫♬♬♫♪」
某有名戦国シミュレーションゲームのテーマ曲が流れた。イエスの着メロだった。
「すまんな、今日はこれでご無礼する」
立ち去ろうとするイエス。
「Oh,
エリが出入り口まで付いていき、見送る形になった。 今度はダジャレではなく本当にそう聞こえたようだ。
「待っていたぞ、イエス」
イエスの父、
「鷹山さんの件ですね」
「そうだ。鷹山さんの計らいもあって、ウチも仕事には事欠かない。週に2回はワシも顔を合わせるが、今回はお前に用があるそうだ」
「鷹山さんの計画はお前も知っていると思うが、あれは10年20年とかかる大仕事だ。だが、鷹山さんもとうに還暦を過ぎた。そこで、そろそろ後継者探しをしたいとのお考えらしい」
なんとも藪から棒な話だ。
「『イエスくんのことは生まれたときから知っているし、学業も申し分ない。体も丈夫で侠気もある。ぜひ三重の地盤を引き継いでほしい』と、ここまでおっしゃっている」
「まだ私は高校一年生ですよ? 分不相応ですし、他にもふさわしい方が―――」
そこまで口にして、イエスはハッとした。脳裏に、あの男のことが思い浮かんだ。メシヤである。
(考えたことも無かったが、あいつが政治家になったら、きっと楽しい世の中になるんじゃないか? ハハ、こいつはいいや。ダニエルという男のことも気になるし、これから面白いことになるぞ)
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