夢で見たのは…。

@mocoyan

第1話 序章

 いつからだろう…。

いつから、その夢を見るようになったんだろう…。

 多分…物心ついた頃にはもうその夢は見ていた…。


 その夢を見た朝は

決まって汗だくになって目を覚ます。

そして、顔を掌で覆い皮膚の感触を確かめる。

そして、ゆっくりと掌を見つめる。

「良かった…。」心の呟き。

常夜灯の仄暗い部屋の中を見渡し確認する。

「夢…。また…。」

いや、分かっている。

夢だと分かっているのに

夢だと気づいているのに

夢だということをしっかりと確認する。

いつからか身についた儀式…。

 サイドテーブルに手を伸ばし、煙草に火を付け深く深く吸い込む。

そして、溜息と共に有害物質を体内と分合った白い煙を何の罪もない空気中へと吐き出す。


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