793.魔素を検知する、魔法道具。

 小型の魔法AI『知性のインテリジェンスキューブタイプクワトロ』を使えば、『勇者武具シリーズ』のような魔法AIを搭載した武具や魔法道具も作れそうだ。


 小型の魔法AI『知性のインテリジェンスキューブタイプクワトロ』が五つだけ在庫があるようで、とりあえずそれをもらうことができた。

 今後、何か試作しようと思っている。


 『知性あるインテリジェンス武器ウェポン』や『知性あるインテリジェンス道具アイテム』を、作ってみたい。

 どんなものを作るか、今からワクワクしてしまう!


 在庫は五つしかなかったが、俺が使いこなせて、かなり有効なら、生産設備が再稼働するのを待たなくても、『波動複写』でコピーして使うことができる。

 魔法AIの軍団を作ることも、できるかもしれない。


 まぁすでに、この『自律型人工ゴーレム 魔機マギマシマロイド MR1型』たちだけで、魔法AI軍団だけどね。

 今は『自律行動モード』でしか稼働させられないので、命令を下すのが大変だが、ある程度の個体数まではまとめて命令を下せるみたいなので、地道にやれば何とかなるだろう。


 俺は機械の殲滅兵だった『自律型人工ゴーレム 魔機マギマシマロイド MR1型』を機械の守護兵と呼ぶことにし、『自律行動モード』で稼働させた。

 そして、この迷宮内にやってくる悪意ある者、敵対行動を取る者を無力化するように命令した。

 モードの切り替えや命令も口頭でできるのだ。

 もっともそれは、この『シェルター迷宮』のダンジョンマスターの資格があるから行えたらしい。

 仮に誰かに捕まえられても、簡単には命令ができないようになっているようだ。

 悪魔にやられたような、システム自体が乗っ取られることがない限りは、簡単には悪用されないということで少し安心した。

 まぁ悪魔には、乗っ取られる可能性が高いってことだけどね。

『シェルター迷宮』を操っていた『悪魔の心臓デーモンズハート』の簡易版みたいなものが作られて、機械の守護兵一体毎に取り付けられたら、個別にではあるが操られてしまう危険がある。


 そう考えると、迷宮内の防衛はともかくとして、外部に……特に前線に投入するのは、控えたほうがいいかもしれない。


 それから『自律型人工ゴーレム 魔機マギマシマロイド MR1型』は、攻撃もモードを選ぶことができた。

『殺傷モード』『スタンモード』というのがあって、『スタンモード』を選べば殺さずに無力化することも可能だ。

 ただ『スタンモード』では、一発で無力化できるとは限らないので、機械の守護兵の損耗率が高まるだろう。

 俺は、魔物や悪魔以外の生物に対しては『スタンモード』で攻撃するように指示をしておいた。


 単純な命令と言いつつも試しにやってみると、意外と様々な命令ができるので、かなり使える軍団になりそうだ。


 この『自律型人工ゴーレム 魔機マギマシマロイド MR1型』は、全部で二千九百七十八体もあるので、うまく使えば最強軍団になるかもしれない。

 ただ、万が一にも再度乗っ取られ人を殲滅する兵器になると嫌なので、温存戦力として、どうしようもない時だけ出動させるという運用にしようと思っている。


 信頼できる仲間たちが数多くいるから、無理にこの機械の守護兵を使う必要はないんだよね。

 なんとなく……宝の持ち腐れになりそうな気がするが、それはそれで良いことだと思う。

 もしものときの保険というか……切り札的な感じでいいだろう。



『シェルター迷宮』の階層についても説明してもらった。


 この『シェルター迷宮』は全部で五十階層あるとのことだ。

 その五十階層分が純粋な迷宮部分であり、その下にはダンジョンマスタールームを始め各種の設備ルームとなるスペースが三階層分あるらしい。

 ヤドカリの貝の形状になっていて、下の階層に行くほど面積が広くなっている。


 俺がダンジョンマスターをしているテスト用迷宮は、一フロアが一般的なドーム球場くらいの大きさで、そのまま縦に塔のような形で連なっている。

 だが、このヤドカリ型のダンジョンは、ちょうど真ん中より少し上あたりが一般的なドーム球場くらいの大きさで、それより下はだんだん広くなっていき、上は小さくなっていくという構造になっている。

 迷宮として稼働する場合は、ヤドカリの貝形状の最上部が入り口になる。

 土の中に潜って、地下迷宮として運用するのだろう。


 ヤドカリの貝の部分が迷宮部分とシステム部分になっていて、その下に台座のようなものがあり、そこが移動や攻撃を担っている。

 ヤドカリの本体パーツが、前後左右に四つ付いているのだ。

 頭と足がついている。


 ただ頭は……ヤドカリの頭というよりは、蛇みたいになっている。

 あのメカヒュドラの機械のヒュドラ首と同じような感じだ。

 それが前後左右の四方向についているわけである。

 さしずめ四つ首のヤドカリというところだ。

 足パーツも四方向にそれぞれあるから、足の数はかなりの数になる。


 この四方のヤドカリ部分は、移動するときの防衛行動や攻撃行動の為のパーツであって、一つのところにとどまって、迷宮として運用するときは、稼働しない状態になる。



 俺は、いつものように宝物庫についても確認した。


 宝物庫は、全部で五つあるらしいのだが、四つは未使用で、一つだけ機能しているらしい。

 だが、そもそも迷宮として使われ出す前に、殲滅兵器となってしまったので、宝物と言えるようなものは、収容されていないとのことだった。


『勇者武具シリーズ』についても尋ねてみたが、残念ながら保管されてはいなかった。


 一応、その一つの宝物庫の中を確認させてもらったが、確かに宝箱は一つも無かった。


 あったのは『魔素濃厚エリア』というタイトルの地図と、『魔素検知メーター』という魔法道具だった。

『魔素検知メーター』は、『極上級プライム』階級のアイテムだった。


 どうやら、魔素の量を検出できる魔法道具のようだ。

 この魔法道具を使えば、魔素の濃いエリアを判別できるということだ。


 普通の人にとってはあまり意味のない魔法道具かもしれないが、今の俺にとっては最高に使えるアイテムになりそうだ。


 この魔法道具を使って、魔素が濃いエリアを見つければ、そこに『マシマグナ第四帝国』のテスト用迷宮や本格稼働迷宮が存在している可能性がある。

 迷宮探しに使えるというわけだ!


 しかも『魔素濃厚エリア』という地図には、この周辺の魔素濃厚エリアが表示されている。

 ほとんどが魔物の領域だと思うが、そこを当たるだけでも迷宮が発見できるかもしれない。


 少なくとも、存在がほぼ確実なテスト用第七号迷宮は、何とか見つけたいんだよね。

 ダリエイトからも頼まれているしね。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る