473.不動産の、リスト、その二。

 

 七、『領都ピグシード』の個人屋敷

 これはかなり広大な屋敷になりそうだが、現在アンナ辺境伯の手配で建築中である。


 八、領都の南にある大山の中腹にある洞窟別荘

 これは『正義の爪痕』のアジトだった場所で、多くの女性たちや飛竜のフジたちが囚われていた場所でもある。

『ピグ大山』と呼ばれている山にあるので、『ピグ大山別荘』と名付けることにした。

 ここは『ハンター育成学校』で、実戦訓練をするための合宿所として使ってもらっている。


 九、『イシード市』近郊の別荘

 ここも『正義の爪痕』のアジトだった場所で。囚われていた女性たちを救出した場所だ。

 使用用途が特にないので、周辺を巡回しているスライムたちの遊び場になっている。


 十、『セイネの街』近郊の別荘

『イシード市』を大河沿いに北上すると、現在は閉鎖されているが『セイネの街』がある。

 この近郊にも『正義の爪痕』のアジトがあり、女性たちが囚われていた。

 この場所も使用用途がなく、周辺を巡回しているスライムたちの遊び場になっている。


 十一、『ホクネの街』近郊の別荘

『セイネの街』を大河沿いに更に北上すると、『ホクネの街』がある。

『ホクネの街』も現在閉鎖されているが、近郊に『正義の爪痕』のアジトがあり、女性たちが囚われていた。

 この場所も使用用途がなく、周辺を巡回しているスライムたちの遊び場になっている。


 十二、『ナンネの街』の個人屋敷

 当初は必要ないと思って作らなかったのだが、ミリアさんによりそれ用の土地も確保されてしまっていたので、結局、後から個人屋敷も作ったのだ。

 もちろん、『家魔法』で作った。

 規模は、『マグネの街』の二号屋敷と同程度で、現在は最低限のスタッフで維持管理のみをしている。


 守護の屋敷の利用権も俺にあるが、代官のセイバーン公爵家三女のミリアさんに暮らしてもらっている。

 働く使用人たちは、本来守護である俺が雇用することになっているが、ミリアさんがセイバーン公爵領から呼び寄せ雇用してくれている。


 街の地下に『正義の爪痕』によって作られた地下施設は、非常用の『食料庫』と緊急時の住民の『避難シェルター』として使うことになっている。

 ちなみに領都の下にも地下道が掘られたが、『ナンネの街』の地下のような空間は作られていない。

 それ故に、現時点では特に使っていない。

 今後『土使い』のエリンさんや『マナ・ホワイト・アント』たちの力を借りて、『避難シェルター』を作ろうと思っているが、どうせ作るなら色々作り込みたいと思ってしまい、構想がまとまらずまだ着手していない状態だ。

『ナンネの街』の地下に『正義の爪痕』が作った地下空間を急襲するために『マナ・ホワイト・アント』たちに作ってもらったもう一つの地下空間も、現在は特に使っていない。


 十三、秘密基地『竜羽基地』

 ピグシード辺境伯領とセイバーン公爵領の領境となっている竜羽山脈の西の端にある地下空間で、『正義の爪痕』の『武器の博士』のアジトだった場所だ。

『ナンネの街』の南東のセイバーン公爵領内にある。

『ナンネの街』とは地下道で繋がっている。

 ここの管理人は、オケラ型虫馬『ケラケラ』のケラリンである。


 十四、『イシード市』の個人屋敷

 これから本格的に移住者を受け入れて、復興を進める『イシード市』にも、一応俺の個人屋敷を作った。

 ここも当面、最低限の人数での維持管理を行うことにしている。


 十五、マナゾン大河周辺の川賊のアジトだった『大河別荘』

 最初にみんなで出向いて壊滅させた川賊のアジトを『大河別荘一号』という名前にした。

 ここはヘルシング伯爵領内の支流の人気のない入江にあり、大きな屋敷になっている。

 この場所は、俺の『自問自答』スキルの『ナビゲーター』コマンドのナビー顕現体が使うことになった。

『残念B組! ナビ八先生』というふざけすぎている名前の矯正施設の場所になったのだ。

 街のチンピラ、街道の盗賊、大河の川賊のうち、すぐに更生できそうなちょっとグレている程度の者は、すぐに『舎弟ズ』入りできるのだが、大分グレている者は、この矯正施設で性根を叩き直すということになっているのだ。

 完全に悪に染まっている者や罪が重い者については、罪を償ってもらうために通常通り衛兵隊に突き出している。

 通常の場合、犯罪奴隷として労役につくことになる。


 この他にあと四つの川賊のアジトを壊滅させ没収している。

 すべてヘルシング伯爵領側にあったようだ。

 ピグシード辺境伯領側にアジトを作っていた川賊もいたようだが、悪魔の襲撃事件以来、ヘルシング伯爵領側に場所を移していたようだ。

 この壊滅は、『魚使い』のジョージを中心に仲間たちが瞬く間にやってのけてしまった。

 もうヘルシング伯爵領とピグシード辺境伯領の間の大河周辺には、川賊はいないようだ。

 事実上、このエリアの川賊は壊滅させてしまったらしい。

 つかまえた川賊は、ヘルシング伯爵領の『サングの街』の衛兵に突き出した。

 一部更生可能な者は、ナビーの矯正施設に入れたようだ。

 そして川賊が持っていたものは、全て俺たちが没収した。

 没収したものは、俺と仲間たちの共同の資産になるが、今回活躍してくれたみんなには特別ボーナスとしてお小遣いを多めにあげた。

 俺の仲間たちは、特別お金を欲しがるということはないのだが、ジョージはめちゃめちゃ喜んでいた。


 このことによって手に入れた『大河別荘二号』『大河別荘三号』『大河別荘四号』『大河別荘五号』だが、今のところ使い道はない。

 どれも大河の支流に入ったところにあり、『大河別荘一号』と同程度の広さがある。

 大河に注ぐ五つの支流が、それぞれの縄張りの目安になっていたようだ。

 今後、『フェアリー水産』で支流でも漁をするときに、中継基地とするのがいいかもしれないね。


 追加で四つの川賊のアジトを壊滅したことによって、様々な戦利品を得た。

 大型船が六隻、小型船が十五隻手に入った。

 結構な規模の船団が作れそうだ。

 『フェアリー水産』の漁業用に使おうと思っているが、とても使い切れないので余分な船は『波動収納』にしまってある。


 四つのアジトでは、家畜動物も飼育されていたので、いつものように保護している。

 その内訳は……


 牛——四十五頭

 ヤギ——六十七頭

 鶏——百三羽

 ガチョウ——五十七羽


 これらの動物たちは、いつものように俺の仲間にして、これから復興する『イシード市』に作る『フェアリー牧場』のメンバーにしようと思っている。


 没収した硬貨は、約七百万ゴルになった。

  四つのアジトから没収した割にはあまり多くないが、川賊がお金を貯めておくとも思えないので、こんなもんだろう。

 その他食料や略奪した商品もかなりあった。

 食料は、ヘルシング伯爵領内の各市町の『フェアリー商会』の支店に割り振って、『舎弟ズ』たちが行う『炊き出し』に使ってもらおうと思っている。

 商品の中には衣料品が結構あったので、保護した子供たちや炊き出しに来る人たちに分けてあげようと思っている。


 それから、捕まって奴隷のようにこき使われていた人たちがいたので、解放してあげた。

 漁師や商人が捕まっていたようだ。

 帰る場所がある人は、川賊から奪ったお金を渡して帰してあげた。

 行くあてがない人たちは、いつものように『フェアリー商会』で雇用してあげることにした。

『フェアリー水産』の人員として適任なので、こちらとしても大助かりなのだ。


 ちなみに『サングの街』には、個人用の屋敷を購入したが、今後は『ポカポカ養護院』にする予定なので、俺の個人資産扱いにはしていない。

 もちろん、スカイさんとデイジーちゃんを含めた子供たちが住む家を兼ねている。


 十六、『サングの街』近くの地下施設。

『正義の爪痕』のアジトだった場所の一つで、ヘルシング伯爵領に最初に来たときに壊滅させた場所だ。

『サングの街近郊地下別荘』という名前にした。

 特に使い道がないので封印した状態だ。


 十七、『領都ヘルシング』南東の森の地下にある巨大地下施設

 『正義の爪痕』の『血の博士』『魔導の博士』『謎の博士』たちのメインのアジトだった場所で、一応、俺の管理物件に入れてある。

 『領都ヘルシング近郊森林地下別荘』という名前にした。

 ここも今のところ使い道がないので、すべての調査が終了し次第、封印する予定だ。


 十八、ヘルシング伯爵領北部の街道沿いの地下施設。

 これも『正義の爪痕』のアジトになっていた場所で、吸血生物を強化、増殖させていた場所だ。

 『ヘルシング伯爵領北部地下別荘』という名前にした。

 特に使い道がないので、封印状態だ。


 十九、『ニングの街』近郊の地下施設。

 ここも『正義の爪痕』のアジトで、吸血生物を強化、増殖させていた場所の一つだ。

 『ニングの街近郊地下別荘』という名前にした。

 ここも特に使い道がないので、封印状態だ。


 二十、ヘルシング伯爵領南部の街道沿いの地下施設。

 ここも『正義の爪痕』のアジトになっていた場所で、吸血生物を強化、増殖させていた場所だ。

 『ヘルシング伯爵領南部地下別荘』という名前にした。

 ここも特に使い道がないので、封印状態だ。



 以上が、今のところの個人資産としての不動産だ。

 すべてを無理に活用する必要はないと思っているが、リストとして整理しておくことによって、今後有効活用していきたいと思っている。


 各市町に続く街道の近郊や俺がダンジョンマスターをしている各ダンジョンの近くなどにも転移用のログハウスを置いてある。

 これを、俺の不動産としてリストに入れるとすごい数になってしまうが、あくまで転移用に設置した装置のようなものなので、不動産資産には入れていない。

 有効活用する必要性がないし、サーヤが転移場所として管理しているので問題ないのだ。

 もっとも、小さなログハウスとはいえ、住むことはできるので、十分別荘と言っていいものだけどね。



 それから俺は『マシマグナ第四帝国』が作ったテスト用迷宮のダンジョンマスターになっている。

 テスト用一号迷宮の『テスター迷宮』、二号迷宮の『イビラー迷宮』、三号迷宮の『アイテマー迷宮』、第四号迷宮の『トラッパー迷宮』、五号迷宮の『プランター迷宮』と五つの迷宮のダンジョンマスターなのだ。

 そして、『ミノタウロスの小迷宮』では、ダンジョンオーナーをしている。

 ただこれらは全て、俺の所有不動産とは違うと思うので、リストには入れていない。


 霊域や大森林も俺が主だが、同様にリストには入れていない。




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