315.ロイヤルスライムの、その先へ。
最初に迷宮合宿に訪れてから五日目の朝になった。
俺たちは、昨日までの丸五日間、この『ミノタウロスの小迷宮』で合宿を行ったのだ。
これで今回の迷宮合宿は、一旦終了することにした。
みんなかなり頑張ってくれた。
レベルもだいぶ上がったし、連携攻撃の精度もかなり上がっている。
ちょうどいい機会なので、みんなのステータスチェックをやろうと思う。
まずはニアさんから……
[基本ステータス]
<種族> 妖精族 『ロイヤルピクシー』
<名称> ニア
<性別> 女性
<年齢> 不明
<職業> ——
<状態> グリムの
<レベル> 62
<身体力(HP)> 640
<スタミナ力> 630
<気力> 700
<魔力(MP)> 710
[サブステータス]
<攻撃力> 65
<防御力> 64
<魔法攻撃力> 72
<魔法防御力> 71
<知力> 72
<器用> 60
<速度> 67
クラスチェンジして『ロイヤルピクシー』になったときに、基本ステータスの数値は50前後、サブステータス数値は5前後アップしているので、レベルアップと合わせるとかなり上がっている。
相変わらずニアは、魔法系と『知力』の数値がずば抜けて高い。
そして『器用』の数値がずば抜けて低い……残念。
もっともクラスチェンジによる底上げのおかげで、レベルに対してみれば普通相当の数値になっているので、もはや低いとも言えないのだが…… 。
[特殊ステータス]
<称号>
『妖精女神』『癒しを運ぶ者』『悪魔殺し(下級)』『悪魔殺し(中級)』『豊穣の女神』『ピグシード辺境伯領守護妖精』
『ピグシード辺境伯領守護妖精』が追加されている。
これは、前に領民に対して宣言したからついた称号だろう。
本人が希望している美少女系の称号は、未だについていない……残念。
<加護>
無し
<通常スキル>
『風魔法適性LV.10』
『風魔法——突風LV.10』
『風魔法——
『風魔法—癒しの風LV.10』
『風耐性LV.10』
『風魔法——
『魅了耐性LV.10』
『雷魔法適性LV.10』
『雷魔法——
『雷魔法——
『雷魔法—植物成長LV.10』
『雷耐性LV.10』
『雷魔法——
『眠り耐性LV.10』
『毒耐性LV.7』
『雷魔法——
『棒術LV.1』
ニアは新しく『棒術』スキルを身につけた。
『如意輪棒』でがんばって訓練していたが、やっとスキルを身につけることができたようだ。
『通常スキル』については俺が『波動複写』でコピーしているので、セットした『共有スキル』の方が同じスキルでもレベルが高い状態になっている。
『共有スキル』を使っても、自分が所持する同じ『通常スキル』のレベルも問題なく上がることは、以前に確認済みだ。順調に上がっているようだ。
『棒術』スキルについても、『波動複写』でコピーして『ポイントカード』スキルのポイントを使ってスキルレベルを10にして、『共有スキル』にセットさせてもらおうと思う。
<種族固有スキル>
『ハニートラップLV.10』
『ピクシーショットLV.10』
『ウインドウミラージュLV.10』
『スリープトラップLV.10』
『ピクシーストライクLV.10』
『サンダーアロー乱れ撃ちLV.10』
『癒しのキスLV.5』————部位欠損をも治せる威力の高い回復スキル。
『高貴な瞳LV.5』————各種の状態異常を解除できる回復スキル。
『ロイヤルストレートフラッシュLV.5』————特定の属性での五連続攻撃を発動するスキル。
下の三つは、『ロイヤルピクシー』になったことによって追加されたスキルだ。
<共有スキル>
これは全員共通なので省略する。
ニアの主な武装は……
『如意輪棒4.0』——階級 『
『魔導書 麗しき魔術の世界』——階級『
……の二つだ。
ニアは、レベル60を超えたことで、『クイーンピクシー』へのクラスチェンジが可能になったようだ。
ついにクイーンになってしまうのか……なんかすごいな……。
だがニアは、やはりすぐにはクラスチェンジしないようだ。
確かに、ついこの前『ロイヤルピクシー』にクラスチェンジしたばかりだからね。
今でも十分強いし、焦る必要はないだろう。
『ロイヤルピクシー』でいる方が身につきやすいスキルとかもあるかもしれないし……。
次にリンだ。
リンはレベル60になったが、ニアと同じようにクラスチェンジが発生したようだ。
なんと『エンペラースライム』にクラスチェンジできるらしい。
エンペラーって……スライムの皇帝ってこと?
相変わらず……リンちゃん凄すぎるでしょ!
リンは、いつものようにすぐにクラスチェンジしたいというので、すぐに許可を出した。
クラスチェンジした後に、ステータスチェックをすることにした。
ということで、リンちゃん、がんばって!
「リン、がんばる! クラスチェンジ! エンペラースライム!」
リンが光の繭に包まれ、すぐに繭が弾ける。
現れたリンは、ぷるぷる震えている。
一瞬、金色のスライムになっていたが、すぐにいつもの緑色に戻った。
リンは、体色を自由に変えられるから、慣れた緑色に戻したのかもしれない。
そしてステータスは……
[基本ステータス]
<種族> 始原の中庸生物『エンペラースライム』
<名称> リン
<性別> ——
<年齢> 不明
<職業> ——
<状態> グリムの
<レベル> 60
<身体力(HP)> 680
<スタミナ力> 650
<気力> 650
<魔力(MP)> 590
[サブステータス]
<攻撃力> 61
<防御力> 83
<魔法攻撃力> 57
<魔法防御力> 70
<知力> 64
<器用> 63
<速度> 64
リンもクラスチェンジしたことで、通常の数値上昇分に加えて、基本ステータスの数値は50前後、サブステータス数値は5前後アップしている。
やはり『防御力』がずば抜けている。
『魔法攻撃力』が低いといっても、クラスチェンジによる上乗せのお陰で、レベル相当の数値になっている。
[特殊ステータス]
<称号>
『悪魔殺し(下級)』『スライムの導き手』
称号は、新たには獲得されていない。
<加護>
無し
<通常スキル>
『物理耐性LV.10』
『魔法耐性LV.10』
『状態異常耐性LV.10』
『隠密LV.10』
『聴力強化LV.10』
『体当たりLV.10』
『衝撃吸収LV.10』
『立体機動LV.10』
『物理吸収LV.10』————受けた物理攻撃を HP として吸収する。
『魔法吸収LV.10』————受けた魔法攻撃を MP として吸収する。
『状態異常付与LV.10』————毒、麻痺、催眠、魅了、混乱などの状態異常を選んで付与できる。
『ひっかきLV.4』
『気合LV.4』————自分の『気力』『魔力』と、全『サブステータス』を、一時的に小程度上昇させる。
『鼓舞LV.3』————パーティーメンバーの『気力』『魔力(MP)』『攻撃力』『防御力』『魔法攻撃力』『魔法防御力』を、一時的に中程度上昇させる。
『威圧LV.3』————対象の『気力』『魔力(MP)』『攻撃力』『防御力』『魔法攻撃力』『魔法防御力』を、一時的に中程度下げる。
『物理反射LV.1』————受けた物理攻撃を相手に反射する。
リンは『物理反射』スキルを新たに取得してくれた。
相手の攻撃を反射して返すなんて……めっちゃすごいじゃないか!
これも早速『共有スキル』にセットさせてもらおう。
これで仲間たちの戦力も大幅にアップできる。
情報収集要員の『野鳥軍団』『野良軍団』『爬虫類軍団』のみんなは、普通の生物だしレベル上げもしていないから、攻撃力は期待できない。
だが、この『物理反射』があれば、物理力で攻撃してくる相手には対抗できるはずだ。
もっとも、このスキルは常時発動型ではなく、任意発動型のようなので不意打ちには対抗できないが……。
よく考えると……その方がいいかもしれない。
常時発動型だと、相手が勝手に攻撃してきたときに反射で殺してしまうかもしれないからね。
自業自得とはいえ、不都合な場合もあるだろう。
任意発動型なら自分で判断できるから、どうしても危ないときだけに発動する使い方ができる。
ちなみに『物理耐性』や『魔法耐性』などの耐性型スキルは、基本常時発動型のようだ。
これに対し『物理吸収』『魔法吸収』などの吸収型スキルや、今回取得した反射型のスキルは任意発動型のようだ。
<種族固有スキル>
『分解LV.10』————ゴミ等いろんなものを分解できる。水を浄化したり、サビを落としたりもできる。
『吸収LV.10』————分解したものを体内に吸収できる能力。
スキル内コマンド
○『毒吸収』————毒の治療に使える
○『HPドレイン』————敵のHPを奪う
○『MPドレイン』————敵のMPを奪う
○『ランダムドレイン』————敵の経験値、ステータス数値、スキルをランダムで一つ以上奪う
『種族通信LV.10』————スライム同士で念話ができる。近くにいる複数のスライムに呼びかけられる。
『体内保存LV.10』————物を収納できる。
『変形LV.10』————体の一部を、様々な形状に変化させる事ができる。
『増殖LV.10』————分裂増殖するスキル。
『膨張LV.10』————体積を増やし巨大化できる。
『融合LV.10』————体に取り込んだ物質を融合し、体表面に纏う事ができる。
『合体指揮LV.6』————複数のスライムを自分と、もしくは自分以外のスライム同士で、合体させる事ができる。その際、レベルが合体したスライムの合計になる。合体解除で、元に戻る事もできる。
『変態LV.1』————対象生物に触れることにより、その情報を取り込み、一時的にその生物そのものに自分の状態を変化させることができる。変態可能生物の範囲や効果時間などは、スキルレベルによる。一定確率で対象生物の『種族固有スキル』も使用可能となる。『レベル』『ステータス』『スキル』などは、対象生物に影響されず本来の状態のものが、そのまま適用される。
『エンペラースライム』になったことによって、リンちゃんはまたもや超絶スキルを手に入れてしまったようだ。
『変態』スキル……一瞬危ないスキルかと思ったが……
強力すぎるという意味で、危ないスキルだったようだ。
一時的にとはいえ……別の種族になれるということのようだ。
見た目を同じに偽装するのではなく、種族そのものが変わってしまうらしい……。
おまけに『種族固有スキル』まで使える可能性があるなんて……
そして仮に弱い生物に変態したとしても、元の自分の『ステータス』や『スキル』は維持されるらしい。
もう……なんでもありなのか!
やっぱり……この世界の最強生物って……スライムなんじゃないだろうか……
ていうか……他の種族になれるって……もうスライムの範囲を超えてるよね……。
<共有スキル>
全員共通なので省略する。
リンの主な武装は、『魔法杖 エレメンタルワンド』——階級 『
この魔法杖は、通常の杖のように、術者の魔力効率を高めたり総合的な補助をするものではなく、特定の機能に限定した特別仕様のものだ。
魔法適性がなくても、魔力を流せば誰でも使える。
杖の頭頂部に、はめ込んだ属性石に応じた魔法の攻撃を発射する。
リンが使用するのは、水の属性の魔法石『魔水石』と風の属性の魔法石『魔風石』だ。
『魔水石』をはめ込むと、短槍のようになった高圧縮の水の弾丸を発射する。
かなりの高威力で射程も長い。
『魔風石』をはめ込むと、風の刃を発射する。リンは卓越した魔力調整により、風を巻き起こすこともできる。
それにしても……『エンペラースライム』のリンちゃん……恐ろしすぎる……。
普段ののん気な感じは、普通のスライムと全く同じなのだが……。
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