6.取説、読むの、苦手。

 まずは『通常スキル』からだ。


<スキル> 『テイムLV.10 』『 精霊使いLV.10 』『言霊使いLV.10 』『限界突破LV.10 』『 一粒万倍LV.10 』『促成栽培LV.10 』『財宝発掘LV.10 』『命名LV.1』


 『命名』という新しいスキルが増えている。


 後は同じだが、どれもスキルレベルが10になっている。


 俺自体のレベルが9なのに、スキルレベルが10ってありなんだろうか………

 まぁ、一気に2レベル上がることもあったりするのかもね……。

 まぁ高い分にはいいか……ここは深く考えるのはやめておこう。


 『テイム』に焦点を当てて、詳細と念じてみる。


 『テイム』――生物を使役するスキル。レベル差やスキルレベルにより成功率が変動する。相手方の意思に反して強制的に従わせることが可能。強制によらず自由意思で使役した場合、その生物の能力値がアップする。

 コマンド発生――[コマンドツリー]



 なるほど、レベル差が影響するということは、俺よりもかなりレベルの高い生物をテイムすることが難しくなるということか……。


 あと自由意思か……リンを仲間にした時のようなことだよね。

 やっぱり強制されるよりも、自主的に動いた方が能力を発揮できるもんね。人も動物も一緒だね。


 今後、テイムするときがあれば、まずは話しかけてみることにしよう。

 チームに勧誘する感じでね。


 そして、レベルアップの効果か“コマンド”というものが発生しているらしい。

 “コマンドツリー”に焦点を当ててみる。


 ――スキル内コマンド『集団テイム』――特定の集団を一気にテイムできる特殊コマンド


 “スキル内コマンド”というのは、派生技とかなのだろうか……。


 集団をテイムする状況がいまいちよく想像できないが、野生動物を丸ごと捕まえるとか、そういうことなのかな……。

 まぁ、細かくは今はいいか…… 。


 さて、次は『精霊使い』……


 『精霊使い』――精霊の加護による特殊スキル。加護が形を成したものであり、技能に定型は無い。精霊と共に作り上げることができる。


 うーん、よくわからないけど精霊の加護があるから付与されたスキルってことかな……。


 特定のコマンドみたいなものは、今は無いってことか……。


 精霊と作り上げるってどうすればいいんだろう。

 精霊がいて、話ができるってことなのか……

 まぁ、これも今後の課題だね。


 次、『言霊使い』……


 『言霊使い』――世界のことわりによる特殊スキル。言葉の力を引き出し使用するスキル。技能に定型は無い。自由発想により作り上げることができる。


 うーん、これまたよくわからない。

 もう少し親切設計にしてほしいよね。

 まぁこれも、おいおいということでいいか。


 次は、『一粒万倍』……


 『一粒万倍』―― 一つの種により大きな収穫を得ることができるスキル。収穫量はスキルレベルによる。スキルレベル1の効果は10倍。スキルレベル10では万倍。収穫倍率は任意に調整できる。スキルレベルにより、スキルの適用範囲が拡大される。


 これもよくわからんが、基本農業系スキルのようだ。


 この世界に来る前の俺の仕事は農業だったし、農家にとっては嬉しいスキルだよね。

 どんな作物にも適用されたらすごいな……

 それこそチートだな……そうか生産系のチートスキルなのかもしれない。


 適用範囲が拡大されるとあるから、他のことにも使えるのかもしれないな……。

 俺は、一粒万倍日という縁起の良い日に、よく宝くじを買っていたけど、金運系とかにも効果があるのかな……

 戦闘にも効果があればいいのに……


 次は、『限界突破』……


 『限界突破』――限界を突破するスキル。


 え、それだけ……。


 このスキルさん全く説明する気がないらしい……。

 まぁでも、読んで字のごとしということなんだろうな。

 某アニメの女神を守る戦士のように限界を突破して強敵にも立ち向かえるのだろうか……とても試す気にはなれないけどね。


 次に行こう。


 『促成栽培』――植物、家畜の生育速度を早めるスキル。スキルレベル1の効果は1.2倍。スキルレベル10では3倍。成長速度は、任意に調整できる。——現在、スキルレベルが8を超えたことにより適用範囲が、使役生物、使い魔、眷属、家族、パーティーメンバー、チームメンバー、に拡張されています。


 おお、これは使えそうだ!


 これも基本は農業系スキルのようだが、拡張された適用範囲がすごい!!


 もちろん農業をしていた者としては、作物の生育が三倍になるってだけで夢のようなスキルだが、能力やメンバーの成長も三倍になるなんて……すご過ぎる!


 これはまさに成長チートじゃないか!

  三倍ってかなりすごいよね。


 よし! いい感じだ!

 次も期待できそう。


 『財宝発掘』――財宝の気配を察知するスキル。範囲と精度はスキルレベルによる。――現在スキルレベルが8を超えたことにより適用範囲が鉱脈、遺跡、人材など有益なもの全般に拡張されています。


 これはワクワクするスキルだね。


 財宝探し、“トレジャーハンター”なんて楽しいかも……。


 しかし、これもスキルレベルが上がったことにより適用範囲が拡張されている。


 もし鉱脈なんて見つけたら、大富豪も夢じゃないよね。

 人材に適用範囲が広がっているのも面白い。

 人材は人財、財産だもんね。

 前の世界で、農業をやる前にビジネスマンだった頃、人材に苦労した記憶がある。

 こんな能力が欲しかったなぁ……


 最後だね、


 『命名』――特定の生物や物に名前をつけることができるスキル。対象の能力を引き出すことができる。効果はスキルレベルによる。


 なるほど、ニアが前に言ってた話と符合するな。

 レベルアップとか極端なことはできないけど、名前をつけることで多少なりとも能力の底上げがしてやれるってことか。


 リンに名前をつけたから身に付いたんだろうけど、一回やっただけでスキルって身に付くものなのかな?

 まぁ、身に付く分にはありがたいから、いいけどね。


 以上が『通常スキル』。


 よく見ると、意外と使えそうなスキルがあったな。


 おそらくだけど、『限界突破』と『財宝発掘』は“常時発動型”スキルで、その他が“任意発動型”なんだろう。『促成栽培』は“併用型”かもしれないけどね。


 ステータス確認に入る前にニアが言っていたけど、「スキル自体のことをわかってないと使いこなせないし、スキルは使いこなせなければなんの意味もない」とのことだ。


 確かにその通りだろう。


 スマホの機能の半分も使えていなかった俺にとっては、耳が痛い言葉だった。

 取説読むのも好きじゃなかったし、こうやってスキルの内容確認するのも結構大変なんだよね。


 『テイム』以外は、一度も使ってないし、自分のスキルだという実感もまだないんだよね。

 取説と一緒で読んだだけじゃ……ねえ……。


 通常スキルなら話しても大丈夫だと思い、後でニアに教えたところ、『テイム』以外は、どれもほとんど聞いたことがないとのこと。

 レアスキルではないかと言われた。


 ちなみに『テイム』は、はずれスキルらしい。

 テイマーも少ないようだ。

 有名アニメのモンスタートレーナーのように、魔物をテイムして活用したら、すごく役立つと思うんだけど……。


 興味が湧いたので詳しく聞いてみると……


 この世界の魔物は、冷静で正常な思考状態にないのでテイムできないそうだ。


 テイム自体は、相手の意思によらず強制的に使役することが可能なはずだが、魔物はテイムを弾いてしまうらしい。

 すでに、上位の何者かにテイムされているのと同じ状態かもしれないと、何かに書いてあったそうだ。

 もしくは、強いレジストの力が働いているのではないかとも考えられているらしい。


 暴走状態なのかと聞いたら、そこまでの状態ではないらしく、本当に暴走状態になるとスタンピードという大災害を周辺にもたらすらしい。


 そんな魔物も特別な力で浄化されていると、テイムもできるらしいが、その浄化できる力自体が伝説の力であり、実在するのかもわからないそうだ。


 数少ないテイマーが何をしているのかというと、スライムをテイムしてゴミの処理をしたり、使役動物である野生の牛や馬、竜馬りゅうま(馬のように使う二足歩行のトカゲのような生き物らしい)をテイムして馴らして、販売するらしい。

 竜馬は人気があり高値で取引されるため、ちょっとした金持ちになれるらしい。

 このクラスになって、テイマーとしては 一流とのことだ。


 スライムは入門編で初心者テイマーが多いらしい。

 まぁ、俺にぴったりだよね。


 超一流のテイマーになると、貴重な騎竜(人が乗れる小さいサイズの飛竜らしい。

 ドラゴンそのものとは違うらしいが…)をテイムできるらしく、そうなると一気に大出世できるらしい。

 貴族に取り立てられたりするそうだ。

 また、戦闘に参加できるようになるのもこのクラスかららしい。

 騎竜と一緒に戦うということだろう。


 つまり通常のテイマーは、戦闘に向かない職種ということだ。


 しかし、スマホ……もといスキル初心者の俺にとっては、もう情報過多だ……すでに頭がパンパンなんですけど……

 やっぱ取説一気に読むのって無理っしょ……。


 『固有スキル』という……よりわけのわからないものが残ってるんですけど……

 見ないとダメですか……

 ダメだよね……やっぱそうだよね……はい、わかりました……。


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