第17話 生還
僕は夢中になって追いかけた。
光はどんどん追いかけてだいぶ近づいた時に、急に声が聞こえたんだ。
「コソコソつけてくるやつは、誰りん!」
って聞こえた瞬間にすごい風が吹いてきて僕は吹き飛ばれされちゃったんだ。
それで、凄く遠くまで飛ばされて、光も何も見えなくなっちゃったんだ。
あれは、おばけだったのかな?
落ち着いて、あの光は何だったんだろう?って考えても何もわからないし。
落ち着いて、どっちに行ったら樹海から出られるだろう?って考えても何もわからないし。
落ち着いたら、お腹ペコペコになってるのに気付いて、とっても悲しい気持ちになって、泣いちゃったんだ。
それで、樹海の中を泣きながら歩いていたら、木の上から声が聞こえたんだ。
「モモンガの坊主、何を泣いておる?」
僕が恐る恐る見上げると、物知りフクロウのケイリンがいたんだ。
「ぼくはカイトくん、お腹が空いて泣いてるわけじゃないよ。お家に帰る道がわからなくて泣いちゃったんだ。」
「ほほう、カイトくんか、おなかがすいているのはよくわかった。じゃがしかし、子供が何をしに、この樹海に入ってきた?」
「伝説の王子に話したい事があったんだけど、でも迷ってしまって、怖くなってきて、なんとか、樹海から外に出たいと思ってるんだ。」
「お前が樹海に入った理由はよくわからないが、帰りたい気持ちはよくわかった。」
物知りフクロウのケイリンは、サッと右の羽根を上げた。
「この方向に5本の木が1直線に見える。この5本の木の方向に飛び、3本目の木に一旦降りろ。すると、残り2本の木の向こうにさらに3本の木が一直線に見える。
また、その方向に飛び3ほんめの木に一旦降りろ、するとさらに残りの2本の木の向こうに3本の木が一直線に見える。
これを10回繰り返すと、樹海から出られる。樹海から出ればきっとお前にも見覚えのある道や草地や人間の家が見えるだろう。
落ち着いて行くのじゃぞ。」
僕はケイリンにお礼を言って、サッと木に登り目印の木に飛び移った。
10回繰り返すと、やっと樹海から出る事ができたんだ。
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