第16話 迷子

メイチの意識が戻り切らないメイチの耳にメラとカイトの会話が聞こえてきた。


「カイトさんは、北の高原に行く道は知らないの?」

「北の大地は台形山の麓に広がる樹海の中に入って、3段になっている台地の上にあると言われているんだ。」


カイトは昔のことを思い起こした。


僕が、まだ小さかった頃、どうしても伝説の王子にお願いしたい事があって、北の高原に行こうと思ったんだ。


北の高原は樹海の中の3段台地にあることは知っていたから、入ることを禁じられている樹海に一人で入ったんだ。

入るときは王子に会いたい一心で何も怖くなかったんだけど、木から木へと飛び移ってる時に、失敗して枝に当たって、地面に落ちると目標にしていた木がわかんなくなっちゃって、

完全に迷ってしまったんだ。


すると、急に樹海の中のいろんな音が大きくなったような気がするし。

ガサガサって音が怖くなるし。

知らない場所で不安になると全てが怖くなちゃって、一生懸命,

来た方向に向かって飛んだんだけど、全然樹海から外に出られなくて困ってたんだ。

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