第5話 伝説
突然頭上から声がした。一羽のツバメが枝に留まっている。
「いや、立ち聞きしちゃ悪いと思ったんだが、雨に雷で雨宿りをしてたら、北の高原って聞こえたもんでね、北の高原も最近通ったからからね。話だけでもしとこうかと思って。」
ツバメはサッとみんなの中心に降りてきて雄弁に語り始めた。
「北の高原は変わったところさ。何がいるわけでもないのに、人間が入り込んでこない。
不思議な高原なんだ。そこでイタチ達が話しているのを聞くと。
高原にいる妖精に困ったことを相談すると、伝説の王子に伝えてもらえるって事だそうだ。」
だから、人間達も入ってこないし、黒もないから、植物が循環させる自然の空気が一杯さ。
メラは、立ち聞きが好きなツバメなんだと思いながらも、妖精って何?
おとぎ話のキャラクターがいるの?
だいたい、人間がいなくなった森になんで、伝説の王子がいるの?
頭の中がわけわかんなくなってきた。
でも、森がある事に間違いはなさそうだ。
メラの弟は、黒が増えてきてから、咳が止まらなくなっていた。
黒がない場所なら、普通に暮らせるかも。
メラはそう考え始めた。
そこに、年老いたゴールデンハムスターがヨボヨボやってきた。
「どっこいせ」
野生とは思えない、重たい動きだ。
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