此処に襤褸家が一燈

此処に襤褸家が一燈

記憶に新しく。

近所でも珍しい門扉

縁緑息吹鋳る

ガタが狂った調律を鳴らす


隅に小汚い餓鬼

あゝ私だ

爪を食み満たされようと蹲る

膝を覆うブランドには

染みは作っては成らない


茨は締め上げる

落花

夏 死の香り

篝火に爆ぜる蛾蟲の憐れなこと


囲われた過去 知るのはひとり

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