第14話 社会参画と戦闘本能
ラーメンを待ってる間、脳が勝手に動き出し、長かった今日1日の振り返りをはじめた。久しぶりにやってきた新宿、久しぶりに会った旧友、初めて出会ったセクキャバ嬢、(自分が)呼んだわけでもないのに勝手に駆けつけてきたお巡りさん達👮♂️、目の前のラーメン屋の店主。今日一日で本当に沢山の人と出会った。今までの自分にとって◯原ネバーランド簿記学校で公認会計士を目指す受験生と学校関係者が自分の人間関係の全てだった。狭い世界の偏屈な価値観。しかし、実際の世界は多様性に満ち溢れていた。そして、みんな自分の生存を賭けて何かと戦っていた。ドラゴンボールの視野は、◯原ネバーランド簿記学校の世界にどっぷりはまりそんな当たり前のことも感知できないほど劣化してしまっていたのである。
思えば、職業とは社会の参画の手段に過ぎない。今日出会った沢山の人達もそれぞれの方法で社会に参画し、自分の居場所をこの世界に創っていた。その居場所の居心地は本人にしか分からない。他人がどんなイチャモンをつけようとも、側から見てどんなにみすぼらしくても、本人がその居場所にいて幸せなら、その人は幸せなのである。会計士という職業もそんな居場所の一つに過ぎない!!この世界に星の数ほどある職業の数ある一つに過ぎない!!そんな当たり前の事に気がついたドラゴンボールおっさん、それまで、エベレストのように感じていた会計士試験が急に高尾山くらいの身近な存在に感じられるようになった。自分が挑んでいるものを俯瞰できた瞬間だった!!
ふと、お店のテレビに目をやるとトレンディーエンジェルがM1で優勝した時の紹介VTRが流れいた。10,000,000円と記載されたでっかいボードを持ち、目を潤わせながら、やった、やったと小刻みに震えながらガッツポーズをする斎藤さん!芸人という社会参画の方法で頂点を極めた男。そんな斎藤さんに向かって、ドラゴンボールおっさんはポツリと呟いた
『これからあんたには頂点を維持する戦いが始まる。オレにはそこまで這い上がる戦いがある。負けないぜ』
ドラゴンボールおっさんの心には、サイヤ人としての闘争本能がちゃんと残っていたのだった。
続く
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