スナフキン会計士 受験仲間 ドラゴンボールおっさん編

@dounikanarusa

第1話 ドラゴンボールおっさん登場

奴とは試験に合格した年の監査法人説明会で出会った。合格者の若年化がすすみ、オッサン合格者が毎年減少している中での同世代合格者。直ぐに意気投合し飲みに行くことになった。酒のつまみはもちろん受験生時代の辛かった時の話(会計士同士が集まり酒を飲むと必ず話題に上がるテッパンネタ!会計あるあるの一つである)。彼は何と合格まで10年もかかったという。そして、自らの10年の月日を静かに語り出した。


大学3年の時に勉強を開始したドラゴンボールおっさん。しかし、これが地獄への入り口だった。当初はオレが『その気』になったのだから直ぐに合格するだろうと高を括っていたが、大学を卒業し、2、3、4年と月日が経過するも一向に受からない。いや、受かる気配すら感じられない!!公認会計士試験は、一次試験である短答式試験と二次試験の論文試験で構成されており、その二つを突破すると晴れて公認会計士試験合格者となる。一次試験の合格ボーダーは70%前後と法定されているのだが、ドラゴンボールおっさんは毎年その遥か下のスコアしか得点出来ていなかった。おっさんが合格の糸口すら掴めず、自分を見失っていく中、周りはどんどん合格していく。焦っても叫んでもムキになっても現実は全く変わらない。それはそれはきつかったと!!!


そんな彼に聞いてみた、

『受験時代、一番辛かった時はいつ』


奴曰く、

『自分よりも年下の簿記講師にそろそろ違う道を考えたらどうだろうかと言われた瞬間(予備校講師は彼らも商売なので通常はもう少し頑張れなどと受験を継続させるアドバイスをする)!!』


殺してやろうかと思ったって!!もちろん、殺しなどしないのだが、簿記講師のその言葉が受験専念無職の奴の人生に変化を与える『キッカケ』となった。


続く

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