ガーベラの日記

@ningyoushi

第1話

咲いた咲いた

黄金を帯びた一輪の花

夕焼け色に咲くその姿は

まるで太陽のようだった


冷たい空をお日様が

虹色の光線で照らすのが合図だ

立派な花びらを見せつけて

どちらが美しいかを競った


月が欠けまた満ちた

鮮やかな黄赤の面影は消え

花弁は錆色に縁取られた

一輪の煉瓦色の花


以前その姿を崇めていた者共は

今の様を見て笑うようになった

不貞腐れ美しさを主張するように

空の神に挑み続けた


それからさらに日が経った

花唇は醜く縮れていき

首は弱り天を向けなくなった

一輪の褐色の花


雪が降り年が明けた

もう立てない鉄黒の花

自慢だった弁はワタを生やし

長い長い旅に出た


散った散ったガーベラの花

最後まで咲いて咲き続けた

みすぼらしくとも咲いてやった

一輪の黄金の花

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