願いごと叶うなら

勝利だギューちゃん

第1話

僕の名前は、畑中悟。

高校2年生。4人家族だ。

両親と妹、そして僕。


家族仲は、悪くはないと思う。


しかし、実はもうひとりいる。

マイルという名の、女の子。


サンタクロースだ。


サンタのくせに、アニメのDVDに夢中になり、やってきたのは元旦。

「クリスマスの彼女と過ごしたい」という僕の願いを届けに来た。


しかし、クリスマスは過ぎているので、今年のクリスマスまで彼女になってくれる事になった。

でも、見かけは普通の女の子。


いつまでも、かくしておけるはずもなく、即効でばれた。


両親と妹は、一秒でマイルを受け入れた。

そして、同居することになる。

物分かりが良すぎる。


「何でも言ってね」

マイルは言う。


確かに、一生懸命にお手伝いをしてくれる。

それは、認めよう。

でも、いかんせんサンタさん。

失敗や常識が違う事も多い。


でも、笑って許されるのは人徳か・・・


まあ、これだけならいいだろう。

しかし、もうひとり出来たのだ。


鬼の、ニオ。

この子は、節分より早く、年明け早々に来た。

超アナログ派。


以来毎日顔を出している。

その為に話し相手をさせられた。


マイルとは、顔を合わせないようにしていたのだが、1週間持たなかった。

会えば喧嘩になるだろう。


そう思っていたのだが・・・


「あなたが、マイルちゃん?」

「あなたが、ニオちゃん?」

「会いたかった」

「私も」

抱き合う2人。


「お知り合い?」

僕が訪ねると、2人は口をそろえて言った。


「会うのは、初めてよ」

「ならどうして?」

「ペンフレンドなの?」

「なるほど」

納得してどうする、俺・・・


ニオは節分までは、毎日来た。

これで介抱されると思っていたが、その後マイルの部屋で暮らすこととなる。


両親は、1秒で承諾・・・


まあ、がんばってくれるのはいいが、疲れる。

両親、特に母は娘のようにかわいがり、妹はすっかりなついている。


俺・・・家、出ようかな・・・


「悟くん」

「はい」


「逃がしませんよ、絶対に」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

願いごと叶うなら 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る