四百六十二話 もう少し欲しい盾

「そ、それは……本当、なのですか?」


「あぁ、事実。あっ、一応内緒にしておいてくれよ」


思い出したかのようにソウスケは三人にその内容を内緒にしといてくれと頼む。

それを見ていたミレアナは少々後悔したような表情でため息を吐いた。


「はぁーーー……ソウスケさん、三人はおそらく他人にバラしはしないでしょうが、そう簡単に喋って良い内容では無いのですよ」


「はっはっは、そうだったな。ちょっと忘れてた」


ミレアナがソウスケが持つアイテムボックスには時間停止の機能が付いている事を当然として話を進めているの聞き、三人は多分本当なんだろうと信じた。


(時間停止の効果を持つアイテムボックス、もしくは収納袋。それは世界に数える程しか存在しないと聞きますが・・・・・・ソウスケさんは本当に何者なのでしょうか)


実はどこかの国の貴族の子息や、王族の隠し子と言われても信じてしまう程に秘密や強さを持っている。


「しかし時間停止のアイテムボックスを習得しているとは……こんな夕食が野営の旅に出るなど、他の冒険者に知られては色々面倒事が起こったりしませんか?」


「あぁ~~~、起こり得そうな話だな。でも、大抵の奴らはミレアナやザハークにビビッて手出し出来ないよ」


「そうですか。ただ……その、ご馳走してもらっている身分で言うのはあれですが、やはりあまり親しくない人には話さない方が宜しいかと思われます」


セリスは貴族の為、ソウスケ以上に貴族界で起こった良からぬ話を知っている。


もちろん優秀なスキルを持つ人材や、優秀なマジックアイテムを持つ人物がそういった良からぬ噂に関わっている事も多い。


(収納出来る容量がどれほどの量なのかは分かりませんが、おそらく相当なものでしょう)


その考えは正しく、ソウスケのアイテムボックスの中には解体されたモンスターの素材や魔石。まだ解体を終えていないモンスターの死体や鉱石にダンジョンの宝箱から得た物などが大量に入っている。


最近はソウスケとザハークが武器を造っているので、量は減り始めているが……それでもまだまだ多い。


「だな、気を付けるよ。まぁ……俺に害を為そうとしても、無理な気がするけどな」


「私がそんな事させません」


「俺も同意だ。全員蹴散らしてやる」


ソウスケの仲間であるミレアナとザハークが即座にそう答えた。

まだまだ十分の一もその力を見ていないが、それでも二人が全力で敵を倒す姿を考えると……中々敵う敵はいないのではと思ってしまう三人。


(お、お二人が本気で暴れたら……ど、どうなってしまうんでしょう!!??)


まったく想像出来ない結末にカレアは少々混乱する。

それもその筈であり、まだまだ成長途中ではあるが二人の実力は並みの実力者を超えている。


「それは頼もしい限りだと思われす。しかし、世の中実力だけでは解決出来ない事もあるかと……」


セリスの言う通り、実力だけでは解決出来ない問題も存在する。

ただ……ソウスケの場合は例外として無理矢理力任せで解決出来る方法も存在する。


(方法があるにはあるが、それはとっておき。それを使わずにって考えると……やっぱりちょっと手札が足りないよなぁ~~)


ソウスケとしても多少の後ろ盾が欲しいと思っている。

なので有名な商会と関係持ったり等も行っているが……貴族の知り合いは少々心伴い。


「そっちの方面もちょっとは考えてる。ただ、あんまり大きく動けば面倒な人に目を付けられるかもしれないだろ?」


「そうかもしれませんね。私達の口から言うのは宜しく無いのでしょうけど、貴族以外の者達を無下に接している者はやはりいます」


静かに……そっと静かに、リアスの表情に怒りが現れる。


(う~~~ん、中々にちょっと怖かった。女性ならではの怖さ、冷たさ? 的な雰囲気を感じた)


その感情は女性だけの物では無いが、それでもソウスケは久しぶりに人の感情に少々怖さを覚えた。


「そいつらは何故自分達が良い環境で育てられてきたのかを理解していないんだろうな……ただ、その何故を、理由を説明しても聞こうとせず理解しない……そんなカス共なんだろ?」


「そ、そうです。恥ずかしい事実ですが、その様な輩が存在します……その、ソウスケさんは実際に会われたことがあるのですか?」


「……何となく想像出来た」


冒険者にも性格が悪い連中は存在するので、同程度の存在など容易に頭の中に浮かんでしまう。



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熱を出して死んでました。投稿遅れてすみません。

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