三百九十一話 周囲から見たらヒモ?
クイーンメタルスパイダーに関しての情報がもう少し欲しいと思ったソウスケはギルドに向かっていた。
「今すぐ乗り込んで探さないのか?」
「流石に時間が時間だからな。直ぐには乗り込まないよ」
時間は既に夕方を過ぎており、鉱山内では正直時間による影響は無いのだが、ソウスケとしては気が乗らなかった。
「そう簡単に倒される獲物でも無いだろ。焦る必要は無い……と思う」
本当にクイーンメタルスパイダーが存在するならソウスケの言う通り、並みの冒険者に殺れる訳が無い。
クイーンと名の付くモンスターは大抵自分の近くに子供達の中でも実力の高いモンスターを配置時ている。
なのでそもそも一対多数で戦うという状況にはならない。
しかしこの街には高ランクの冒険者もいるため、彼らがやる気を出せばクイーンメタルスパイダーを先に取られる可能性はゼロでは無い。
「本当にクイーンメタルスパイダーがいるのか、ちょっとでもそれに繋がる情報を聞ければ良いんだが……」
ザハークをギルドの前に待機させ、二人はギルドの中へと入る。
二人がギルドの中に入ると複数の冒険者の視線が集まり、大なり小なり驚きの表情へと変わる。
「何をあんなに驚いているんだ?」
「ソウスケさんが私と一緒に行動している日が少なかったので、もしかしたら私達がパーティーを解散する寸前だと思っていたのかもしれませんね」
ミレアナの予想は正しく、ミレアナと三人の女性冒険者と行動してるときに自分達とパーティーを組まないかと、女性だけじゃ危ないよと白い歯を見せながら一緒に行動しないかと誘う冒険者達は呆気なく撃沈していた。
だが、可能性は捨てていなかった。
ミレアナがソウスケと一緒に行動しなくなったのは二人の間で何かしらの衝突が起こり、仲が悪くなったので別行動をしているのではないかと。
事実としては間隔をあけて一緒に鉱山に入って一緒に鉱石を採掘し、魔物を倒していたのだが人とは自分にとって都合の良い内容しか基本的に覚えない。
圧倒的にソウスケと一緒に行動する日数が減った二人はパーティーを解散するのも時間の問題だ、だからもう一度パーティーに誘う内容を考えておこう、そう考えていた男性のみのパーティーは少なくない。
しかし結果は二人仲良くギルド内へと入って来た。
そんな二人の様子が広がる波の様にギルド内の男性冒険者達に広まる。
そしていつもの如く、ソウスケに対して嫉妬の視線が集まる。
それでも安易にソウスケに絡んで来ないのは先日他人の力量を正確に見抜けない同僚がミレアナとザハークによって瞬でボコられたからだ。
だが、ソウスケに対して良い感情を向けていないのは男性冒険者だけでなく、女性の冒険者もソウスケに否定的な……中にはゴミ見るかのような目をソウスケに向けている。
「? なんか、俺に向けられる視線の種類が増えている気がする」
嫉妬や妬み関係の視線を向けられる事に慣れているソウスケはその視線の間隔を覚えている。
なので今回自分に向けられている視線の種類が増えている事に気が付く。
ソウスケとは別行動を始めたミレアナを見て来た女性冒険者と男性冒険者の両者が頭に浮かんだ共通の考え、それはソウスケがミレアナのヒモになった事。
しかも従魔であるザハークを一緒に行動させないという鬼畜プレイ。
勿論そうで無いという事実を知っている冒険者はいるが、広がっている噂を特に修正しようと思う冒険者は居なかった。
ソウスケ達に助けられた冒険者のパーティーはその情報は嘘だと訂正したかったが、確かな証拠があると提示出来る訳では無いので強く訂正することが出来なかった。
結局噂はかなり広がり、ソウスケは実力が高い美女エルフを脅して働き馬にしている話が多くの冒険者に広まっていた。
「気にする必要は無いですよ。いつも通りの実力が無い者達が嫉妬しているだけです」
「そうか、まっ……確かに気にしたところで意味は無さそうだしな」
自分に向けられる視線の種類に興味が失せたソウスケは併設されている酒場のテーブルに座り、適当にメニューを頼む。
そして適当な会話をしながら周囲の会話に耳を集中すること約十分、鉱山内にクイーンメタルスパイダーが存在するう可能性が高まってきた。
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