百八十七話夢のある方法

(モンスターをテイムするっていうのも確かに良い案だけど、錬金術のスキルを使ってロボット・・・・・・いや、人工モンスターってのは言い方が変だな。う~~~~ん・・・・・・錬金術は英語でアルケミだったか? アルスターってのは・・・・・・言い方がハムスターみたいな気がするが、そこは気にしないでおこう)


錬金術で造りだすモンスター・・・・・・アルスターを造れば自身が見張りをする必要はないのではとソウスケは考えついた。


(素材は鉱石やモンスターの鱗、牙、角、爪、後燃料になる部分は魔石を使うのが妥当か・・・・・・ふふ、テンションが上がって来た!!! 実際にそんなのを造れるのかは分からないけど、今回の目的が終わったら絶対に挑戦してみよう)


ソウスケはプラモを造る事もたまにあり、その中で一つのアニメから生まれたプラモデルに一時期とてつもなくはまっていた事があった。


(あのアニメは本当に面白かったな・・・・・・三部作までアニメ、ゲームが作られたけどそれ以降の続編はなかったからな。ああいったロボット擬きを造れるかもしれないってのは、マジで夢があるな)


モンスターの中にゴーレムという存在がいるのと、漫画の中に錬金術師が素材を元に人工的にゴーレムを造るという設定を思い出し、ソウスケは自身の考えが成功するかもしれないという希望の光が見えて来た。


(そうだよね。そもそもこの世界が漫画の中みたいなもんなんだ。モンスターをテイムするにしろ、モンスターの素材や鉱石を使って人工的なモンスター・・・・・・アルスターを造るのも無理な話では無い筈だ)


頭の中で夢が広がり、自然と笑みがこぼれているソウスケを見てミレアナはソウスケ自身が良い案を思い付いたのではと判断する。


「何か良い案でも思い付きましたか? とっても良い笑顔を浮かべていますけど」


「ん? あ、ああ。まぁ・・・・・・何と言うか、結構現実的では無い気がするけど、俺にとっては夢のある方法だ」


「夢がある、ですか・・・・・・それはとても面白そうですね。是非聞かせてください」


自身が知らないこと、発想、考えを多く持っているソウスケが言う夢のある方法と言うのにミレアナは興味を惹かれ、興味津々といった表情でソウスケにどんな方法なのかを尋ねる。


「それはな・・・・・・を使って・・・・・・を造るんだよ」


「それは・・・・・・ふふふ、確かに夢がある方法ですね。ですが、それ程の物を造ってしまったら錬金術師ギルドが黙っていないと思いますよ」


「錬金術師のギルドなんてあるのか?」


「はい、今いる錬金術師達が全て所属している訳では無いみたいですけど、半分ぐらいは錬金術師ギルドに所属しているみたいですよ」


そもそも錬金術師の数は多くない為、人工的なマジックアイテムを造る方法の内いくつかはギルドが外部に漏らさず秘匿している物もある。

魔法袋もその内の一つであり、錬金術のスキルレベルが高く実戦でもある程度戦える錬金術師でない限り魔法袋を造る事は出来ない。

そして個人で魔法袋の製造に必要な素材が分かったとしても、錬金術師はそれを決して他の錬金術師達に教えようとはしない。


錬金術師は基本的自身の事しか考えていない為、他の錬金術師と協力しようという概念は基本的にない。

ギルドの上層部中には錬金術の研究にしか興味が無い者もいれば、金の亡者に堕ちた者もいる。


後者の様な人物を敵に回した場合、今後ソウスケはマジックアイテム等を公的な店で買えなくなってしまうかもしれないが、ポーションに関しては自作で造る事が出来、ソウスケの強さならばダンジョンの内で目的の品を手に入れるというのも不可能ではない。


だがそこまで詳しい事情を知らないソウスケは、取りあえず警戒だけはしておこうと思い、頭の中で夢を膨らませながら見張りの為に外へ出た。

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