未来の娘の恋愛指南
飯田橋諭
第1話 未来から来た娘
終礼が終わり帰宅の準備をする。
部活はしていない、いわゆる帰宅部だ。
一人で帰ろうとする。
僕の名前は「渡辺 友介」高校2年生だ。
別にボッチじゃない、男友達はそれなりにいる。
でも彼女はいない。みんなで遊ぶ中に女子はいるけど。
まあ、別にいつか彼女は出来るだろうし今の方が楽でいいやと思っている。
道を歩いていると一人の少女がこちらを見て立っている。
同い年位か、少し年下か可愛い部類に入るかな?
でも気になる事がある。
ガン見だ・・・
その目は僕をロックオンしている。
なんだ、何かの勧誘?そんな事を思っていると近づいて来た。
「あの・・『渡辺 友介』さんですよね」
なに?なんで名前をしってるんだ?やっぱり勧誘?
「私も『渡辺』っていいます。未来のあなたの娘です」
「同じ苗字か、『渡辺』なんて名前どこにでも・・・」
え?この子今なんて言った?未来の娘・・・?
これはやばい早く切り上げてさっさと帰ろうそうしよう。
「やっぱり疑ってますよね、突然そんな事言われたら」
「信じる訳ないでしょ、急いでいるから帰るんでさよなら」
「帰ってスマホゲームするだけですよね。イベントの空白期間で軽くプレイするだけですよね」
怖い・・・なにこれ・・・個人情報漏洩にも程がある。
「わかりました、ここから動かないで下さい。2分後軽い地震がおきます、震度2程度です。被害はありません」
「地震?」
「はい、自然現象は操作できませんから。交差点で事故がおきるとか、頑張ればねつ造出来ますからね」
そして、2分後確かに地震はおきた。信じたくないが信じるしかないのか?
少女は手を見せてきた。
「小指をみて下さい。ここのほくろ、お父さんにもありますよね。遺伝です。ボールペンとかじゃないですよ触ってもいいですし」
「もういい、仮に娘だとして何の用事なの?」
「お父さんには3年生になるまでにお母さんと恋人にならないといけません」
「は?あと4カ月で?」
「恋人にならないと結婚出来ません、つまり私が消えます」
何このどこかの映画で見た展開。
「お父さん奥手だから私が愛のキューピッドとしてやって来ました」
「それって未来変えてない?捕まらない?」
「大丈夫です。大きな未来改変はおきないので捕まりません」
僕の人生は未来が変化する影響の無い人生なのか少し悲しい。
「そしてお母さんですが『杉田 美紀』さんです」
「えええ?!」
高嶺の花ともいわれる学校でもヒロイン級の杉田さんが僕のお嫁さん?そんなばかな・・・
「さあ、作戦会議です。この先の喫茶店で話をしましょう」
僕は少女(娘?)に手を引っ張られて喫茶店へ向かうのだった。
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