第27話 シオンの気持ち
私は、いずれ死ぬ運命にあります。
だから、何かを楽しんだりすることはできませんでした。
だって、それらは必ず無駄になるんですから。
ディネーラの家にやってきてからも、それはかわりませんでした。
けれど、ラックス様が産まれてから、私の日常に色が付き始めたのです。
ラックス様は頭が良くて、色々な事ができました。
その成長ぶりには目を見張るものがあります。
命は不思議で、無限の可能性を秘めている。
ラックス様を見るたびに、そう思いました。
だから、そんなラックス様を見守っていたから、運命から逃れようと言う考えが芽生えてきたのではないでしょうか。
それから私は色々な事を調べました。
生きたい。
死にたくない。
もっと、色々な事がしたい。
たくさんの欲望に背中を押されて、希望を夢見ることができるようになりました。
だから、いつも明日の事を考えるのが嫌だったけれど、今はそんなに嫌ではなくなったのです。
「ラックス様、ありがとうございます」
私は、私を救ってくださったラックス様のおそばでもっと働いていたい。
この希望は、叶うでしょうか。
いいえ、叶えて見せます。
調べ物は順調で、かなり良い情報を得られたんですから、きっと命のかけらを何とかする事だってできるはずです。
――魔人は、復活した直線、または復活してから数時間までなら、また封印状態に戻すことができる。
諦めなければきっと、運命を変える事ができるはずです。
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