いっそ、雪にでもなれたなら

甘津かげ

手紙

大嫌いなあなたへ


この手紙を読んでるということはたぶん私は死んだのね。悲しい、それとも嬉しい?


私は悲しいです。だって、早すぎるよ。死にたくなんてない。こんな私だって、性格もそんなに良くなくても、生きて、恋とかして、ただ、普通に生活したかったのに。


でももっと心残りなのは、もう雪が積もらないこと。これから時間をかけてゆっくり、ゆっくり積み重ねていきたかった。


本当の雪になったと思って。


絶対に毎年降るから。


突然現れてびっくりしないでよね。


吹雪の時は怒ってるから気を付けて。そして私のこと忘れないでね。


最後に


大好きだよ。



じゃあね。


雪より

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