また会う君にオクルモノ

アルミ

第1話 ある別れの話

「駄目よ!こんなの間違ってる!」

暗がりの部屋の中、焦っている女性の声が響いたどうやら男に向けて言っているらしい。

「…なぜだ?これが最善の方法だろうに。」

声の主は冷たく言い放つ。

「でも、他に方法が……そうだわ!みたいに異世界に飛ばせば…」

「それでも、なるものはなるんだ。」

「じゃあ、私達はこのまま別れていいの?」

泣きながら女性はたずねる

「……ああ。俺達は敵同士にならなきゃいけない。そもそもこれまでが奇跡だったのさ。…さあ行け!俺の気持ちが変わる前に!」

「ぃや、嫌よ!だって、私達はもう戦う理由が無いでしょ!」

「愛してる。『テレポート』」

魔方陣が無くなるとそこに女性の姿は無かった。そこに黒い軍服を着て角の生えた赤髪に紅い目の男がが現れた。

「…良かったのか?これでまたあちらさんとの争いが起きるぞ。それに一番辛いのはお前だろう

「それは俺の偽名だ。…しょうがないんだ。これが一番幸せになる方法だろう。ロスト」

「昔は占い?ふっなんだ中二病のアレか。とか言ってた奴のセリフかよ。」

「あいつと約束したんだ。それに、占いと言っても状況が合いすぎる。」

その部屋には、紅く光る目が二つそれと、左に金色、右に紫色の目が輝いていた。





十五年後

ルクス共和国


とある広場

ここでは子供の遊び場と言うより、軽い訓練場と言ってもいいかも知れない。なぜなら、近所に冒険者ギルドと言う微妙に言いにくい施設と、病院、そして、平和にも関わらず、国王軍の基地があり、たまに来る教官や、講師に色々な事を教えて貰えるからだ。

後に、伝説の聖地と呼ばれるのだが、それは後のお話。


「おーい、バインーやろーぜー!」

蒼髪に金色の目の少年が鎧を着た緑髪に緑色の目をもつ少年に叫ぶ

「ふっ、朝から下ネタか。そうかだからそんな名前なんだなwwエクス」

「なっ!お前だって誕生日が行為の日じゃないか!」

バインは胸を張り

「はっ!素晴らしい日だろうがあ~そうかそうか、お前も顔だけの男なのかしょうがないな~そうだもんね~二歳年下だからね~。」

「な、そ、そ、そうゆうのはお、俺も何度もあるし!」

「いやいや、兄さんだから絶対に無いわ。」

「え、」

後ろを見ると、銀髪でアメジスト色の目を左だけ隠した美少女が現れる。

「え~そこはお兄さんの味方しようよ~」

「愛のムチよ!」

「お、よ~カリン、君は俺の味方してくれるなんて、そのまま俺の人生の味方にならない?そのけしからんナイスバディーも

含めて俺にふさわしい!」

「黙れ、ひよっこ変態貴族騎士バイン・ディーゼル。」

「ワガママバディーのうちの妹はお前にはやらん」

「うわ~ん美形双子にメンタルブレイクされた~一様エリート騎士で将来勝ち組確定なのに~」

「ふん、そんなことより兄さん」

「なんだい?」

「朝ご飯食べてないでしょ、はい。」

カリンは持っていたバスケットから、サンドイッチを渡した。

「サンキュー ムシャムシャうめ~」

「あれ、俺のは?」

「はいはいじゃ私行くから、それとクラス判別式に遅刻しないでね!」

「おう、」

カリンは帰って行った

「もうそんな時期か…それにしてもお前さんの能力はなんだろうな。まあ、低くてもギルドにはいれるがな。」

「そうだな。」

クラス判別式とは、〖適材適所で楽しく仲良く出来るだけ公平に〗と言うキャッチフレーズを掲げるルクス共和国の政策で、十五歳の子供の能力を測定そして、能力に似合った教育、職場を提供すると言うシステムである。もし、その職に納得出来なかったり、副業をしたいと言った要望があるものは冒険者ギルドで希望の仕事ができる。また王国軍との治安維持も兼ねて、様々な依頼が集まり、一攫千金を狙う者も少なくない。


「あ、いけねぇ!今は手合わせ出来ないや。悪いが、後でな。」

「ああ。気をつけろよ~」

「おう。」

バインは去って行った。

「さて、鍛錬しますか。」


一時間後

「よし、行く…か」

視線を感じ後ろを振り返ると他に鍛錬している人以外、誰もいない

「(気のせいか…)」

エクスはクラス判別式場へ向かった。





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