おねぇちゃん


私は気づいたら美女に囲まれて大浴場にいた。


普段個室についたシャワーしか利用しないので同性の裸体も含めこの空間が新鮮でどこか恥ずかしかった。


美女に囲まれていると言っても両サイドに白岩さんとむっちゃんの二人がいる。だけなのでいささか大袈裟に聞こえてしまうだろうが、近しい未来のアイドル業界の話題を持ち切る可能性があるそんな二人に挟まれているのだから両手に華どころではない。


どうやら会話の流れ的に二人はよく大浴場を利用していて一緒にそのリラックスできる空間を共有することが日常になっているみたいだったが、私の心はリラックスとは程遠いかった。

いじめにより身体を晒すことはあっても自ら身体を晒すことなんてなく、同性が同じように身体を晒してるのなんて初めての経験だ。


昔ひどく痣ができた部分や二人よりも劣る自分の女性的な発達をしていない身体を恥ずかしく思う。


比べること自体失礼なのかもしれないが、女性的な曲線は同性ながら見ていて照れてしまう部分があった。


それでも二人は


「里奈ちゃん!いろしろっ!!」


「ってか、めっちゃ細い!私でもパキッて折れちゃいそう!」


と褒めてくれる。

本当に優しいおねぇちゃんができたようで恥ずかしくも嬉しくもあった。


シャンプーや、コンディショナーとトリートメント。入浴後のマッサージなど二人は色んな事を教えてくれた。


「なんか、妹ができたみたいでめっちゃ嬉しいわ!」


「しかもとびきり可愛い!」


とおねぇちゃん達はおねぇちゃん達でこの状況を楽しんでいる。

なんだか後ろめたさを感じる。私が復讐を果たす時、この関係も終わってしまうのだから。

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