「光の天使」神界編

来夢来人

第1話 光の女神候補

異世界に建つ光の神殿で、

異世界を継ぐ皇子として

早くから期待されていたミトラは、

部下の帰りを待っていた。



「ミトラさま、只今もどりました」

「そうか、ずっと待っていたぞ。はやく報告せよ」


「光の女神は、まだ覚醒しておりません。

女神の候補は三人いたようなのですが、

そのうちふたりはすでに女神に変成し

高位の神のもとへ嫁ぎました。

しかし何の告知もなかったようです」


「と云うことは、その残った天使が

女神候補なのか?」


「はい。たぶんそのようです」


「そなたは、そのものを見たか?」


「はい。確認して参りました」


「美しい姫だったか?」


「それが本当にまだ未分化で、

華奢な少年の姿をしていました」


「そうか・・・」


「このまま未分化で終わるのではないかと

心配されているようなのですが、

私もそのように思いました」


「そうか・・・」とミトラは

わずかにほほ笑みながら、

少し迷っていたが、

「それで私の求愛をけった

あのアフロディーテよりも美しいと

聞いているが、本当にそうか?」

と、身を乗り出して聞いてきた。


「分化すればそうなるのでしょうが、

なにぶん未分化のままですから、

今はまだ

残念ながら・・・」


それを聞いてミトラは

少しがっかりしたが、

その女神候補にいちど

会ってみたいと思った。



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