おいしいものシリトリ

@nakamichiko

第1話「あ」から始めよう


大人二人が暇を持て余した。さて何をしよう。


子供の遊びは脳にもいいと聞いたので


「シリトリ」でもやろうかと決まった。


でもそれだけでは面白くないから


何かで「縛ろう」ということになった。


動物、植物、地名、二人ともさほど知らない


ただ食べることは共通に好き


一人が「美味しいものってどう? 」


「いいね、ただの食べ物より面白そう」


で、始めることになった。


ルールはやってみなければわからない


とにかく最初は「あ」から。


では


スタート


「温っつあつのアップルパイ! 」


「どっちも「あ」だね、始まりにふさわしい。そうだね、


家で作らないと、なかなか食べられないよね」


「そうそう、家でしか食べられないものってあるよね」


「それ、賛成、でもこれはどうかな、い、イ


イチゴが何種類か入っていて、その上果物も何種類か


乗ってるフルーツパフェ! 」


「うわー温っつあつの後、の冷えっ冷えできたね、いいね、


おいしそう、最高! でも絶対値段が高級料理並み」


「うーん、値段は考えたくないね」


「お菓子が続いたから、料理に行こうか。え、エ


エリンギをスライスして焼いたものをちょと載せて


えのき、しいたけ、しめじ、ひらたけ、生シイタケ、


マイタケ、マッシュ、などなど何でもいいキノコと


ベーコン、鶏肉、ニンジン玉ねぎをいためたスパゲティー! 」


「キノコスパ! その言い方いいね!


でもそれだけキノコ入れると、口の中もさもさしない? 」


「キノコの形状を少し残して、あとはみじんに切るの、


見栄えは・・・悪くなるけど、キノコのエキスで味は


良くなる。キノコって混ぜれば混ぜるほどいいよ」


「へえ、やってみよう。でもまた、イ?」


「じゃあ、スパゲティーじゃなくて、パスタ」


「タ、た! たらこスパ! 」


「それいい! 日本発最高のイタリアン! ただ


結構誕生して長いよね。これを超えるものって


出てくるかなあ」


「そうだね・・・難しいね・・・海苔も最高の


組み合わせだし、出汁 出汁」


「上手く遊んだね、パか、早々とパンケーキ! 


私としては後でお腹が膨れないものがいい」


「あんまりベーキングパウダー使いすぎると


そうなるからね、家で作る時も」


「そうそう、案外入れなくても良かったりする」


「食事としてのものだよね、お菓子としてじゃなく」


「でも、甘いの、抹茶アイス添えとかで食べたい」


「あったかくて、甘くて、冷たくて、最後に


ちょっと苦みで後味すっきり、ご馳走様、次


き、キッシュ! でどうでしょう」


「おお! 周りの生地はパイ、タルト、それとも


何も敷かない派?」


「やっぱりタルトかな・・・でもねえ・・・そうすると」


「カロリーがねーって感じですね」


「その通り」


「私もタルト派、ユ、ゆ! ゆり根! 」


「ゆり根? お正月の? 」


「そうそう、大好き。ゆり根をむいて一片ずつ


蒸す、それ塩を付けて食べるのが好き」


「へえ、蒸したては食べたことがない」


「おいしいよ、柔らかくて、上品な甘さで、


シンプルだけど、最高。蒸す時間もちょっとでいいし」


「でも・・結構高いでしょう?」


「だから・・・狙う、正月が終わって売れ残りを」


「敏腕の主婦みたい」


「次はね、ね、ねぎは取っておきたい


あ! まだ飲んだことはないんだけど


ネズミモチのコーヒー! 」


「ネズミモチ?? 」


「ネズミモチって木があるの、その実で作った


珈琲がおいしい、らしい。ごめん飲んだことは


ないけど」


「自然食的なもの? 」


「そう言った感じ、今度飲んでみようとは


思ってる。その時は一緒に」


「お願いね、ひ、ひ、あった! 


ヒシのみ! 」


「ヒシのみ? 聞いたことない、それも自然食的なもの? 」


「ああ、知らないか、おばあちゃんが九州で、


佐賀とか福岡とかでは栽培されてるよ。


いびつな星形で、その中の実を食べるの


栗と、サトイモを合わせたような味


私は大好き」


「そうか、確かに栗はおいしいけど


それに近い味ってあるものね。地方だけで


食べてるものも、おいしそうだもんね」


「もっとメジャーになってほしいの、


今度送ってもらおうかな、久しぶり食べたいな。


一緒に味わってみて」


「もちろん、もちろん、それじゃ、み、

 

ミートボール! 市販のものだけど」


「何味がいい? 」


「やっぱりケチャップかな、そうだ、


ミートボールケチャップって言い方


ダメかな、品名だけだとネタが尽きそう」


「そうだね!修飾は後ろからがいい、案外


ん、で終わる食べ物が多いから」


「ではでは、ミートボール、ケチャップです」


「ぷ、プリン、プリンアラモード! 」


「いいねえ、コンビニのも最高だもんね。


ど、ド、ド

 

ドミグラスソース、手作り! 」


「ドミグラスソースの手作り???? 」












  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る