第157話【おつかいに行こう!!その2】

老人に案内され、建物の一つに入るハックとニョッキ。

そこには大量の鯖節が干されていた!!


「こ、これが鯖節・・・しかし何で山奥で・・・」

「この山には鯖池と言う不思議な池が有ってな・・・鯖が泳いでいるんだ」

「何と・・・摩訶不思議な・・・」

「この鯖池の鯖は独特の風味が有る以外は普通の鯖と大差無い

しかしその鯖を最高級の鯖節に変える腕を儂は持っている、と言う訳だ」


老人が得意げに語る。


「なるほど・・・ではこの鯖節を頂きたいのですが宜しいでしょうか」

「まぁ待て、分けてやっても良いが条件が有る」

「条件?」

「実は最近、この集落の麓に有る村に住んでいる孫娘が結婚してな」

「それはおめでとうございます」

「ありがとう、それでウェディングケーキの材料が必要なんじゃよ」

「貴方が用意するんですか?」

「食に携わる者として拘りたい、それに儂は足腰が弱いから結婚式に行けないから

それ位は用意してやりたいんじゃ・・・

話を戻してこの山で取れる三つの材料を麓の村のパティシエに届けて来て欲しい」

「三つの材料?」

「そう、斑苺と金糸蜘蛛、そして水晶」

「ケーキの材料じゃないんですか!?」

「異世界からウェディングケーキを召喚するらしい」

「異世界から!?」

「興味が出てきたにょー」


ケーキの召喚に心を躍らせるニョッキ。


「斑苺は普通は生えているとして金糸蜘蛛は洞窟に生息している

水晶も洞窟に有る筈だから採掘して来てくれ」

「採掘って・・・結構マジですね、つるはし貸して下さい」

「分かった」


鯖節職人からつるはしを借りるとハックは山に向かい洞窟に入った。

洞窟の中に金色の蜘蛛を見つけた、恐らくこれが金糸蜘蛛なのだろう。

サイズは普通の蜘蛛なので瓶にしまって捕獲した水晶も採掘をして手に入れた。

しかし斑苺がどうしても見つからなかった、生えていると言う説明だったのだが

何処を探しても見つからない、困り果てるハック。


「一体何処に有るんだ・・・」

「・・・にょ?にょー」

「如何したニョッキ?」

「あれを見るにょー」

「?」


ニョッキが指差した方向を見ると沢山の斑苺を抱えたでぶ妖精が歩いていた。


「にょ!?」


こっちに気が付いたのかスタタタタと逃げるでぶ妖精

後を追うハックとニョッキ。

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