第11章【おつかい!!】

第156話【おつかいに行こう!!その1】

リーシャのミスコン優勝から暫く経った頃

神州進撃会の事務所はそれなりに忙しかった。

何でも破魔の刃のアジトが判明し、幹部を複数逮捕する事に成功したらしい

首領を含む数名の幹部は取り逃がした物の破魔の刃は最早風前の灯で有る。

しかし混乱の最中に破魔の刃は拡散してしまい各地で小規模な悪事を行っている為

各ギルドにも依頼が多く舞い込んだのであった。


「破魔の刃関連の仕事、最近多いなぁ・・・」

「そうですね・・・」


キョクのぼやきに答えるハック。


「ニョッキもそう思います」


でぶ妖精のニョッキもポーチから顔を出す、各地にハックと共に行けるので

各地の名産品が食べれるのは良いが草臥れて来たのだった。


「戦闘以外の仕事が欲しいですよ」

「そうか・・・キュー、何か有るか?」

「破魔の刃以外なら丁度良いのが来ている、モーニングさんからの依頼だ」

「モーニングさんから?」


満腹町の【鯖レストランウロボロス】のオーナーシェフ

リザードマンのモーニング

その彼からの依頼は伝説の鯖節を手に入れる事だった。


「鯖節?」

「鰹節の鯖版って事でしょ

依頼は伝説の鯖節職人から鯖節を手に入れて来て欲しいと言う事らしい」

「伝説の鯖節職人・・・つまり今回の依頼は交渉と言う事ですか?

何でモーニングさんが自分で依頼を果たさないんですが?」

「多忙らしい、経費は別で3Gの仕事だし良いんじゃない?行って来たら?」

「そうですね・・・キョクさんは如何します?」

「俺は破魔の刃相手に刀を振るう作業に戻るよ」

「そうですか・・・じゃあニョッキと二人旅か」

「美味しい御飯にwktkにょー」

「ははは・・・」


画して鯖節職人が住んでいる山奥の集落にやって来た。


「・・・・・・ちょっと待つにょ」

「如何したのニョッキ?」

「鯖節って鯖で作る筈にょ、何で山奥で鯖?明らかに可笑しいにょ」


食べ物に関して冴えを見せるニョッキ、確かに山奥なのに鯖が有るのは可笑しい。


「教えてやろうか?」


ハックの肩に細枝の様な手を乗せる老人。


「!?」


振り返るもそこには既に老人の姿は無かった。


「着いて来い」

「・・・・・あのお爺さんの手・・・魚の匂いがしたにょ」

「つまり鯖節職人・・・なのか?付いて行こうか」


謎の老人の後を追うハックとニョッキ。

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