第138話【再会】
本に夢中なヴェンデス。
「・・・・・ふむ、なるほど・・・為になるな・・・」
読み進めるヴェンデスだったが、足音が聞こえた。
「む、誰か来たか」
本を一旦閉じて臨戦態勢を取るヴェンデス。
現れたのは・・・
「・・・何者だ?」
「・・・・・」
見知らぬ少女、歳の頃は18歳前後だろうか?
「・・・鎧を脱いでも気が付かないのか?」
「・・・分からないから聞いているんだが?」
「・・・アキラだ」
「あの鎧騎士か・・・鎧は如何した?」
「さっきカッテージに取られた」
「あ、そう・・・」
対峙する二人・・・沈黙の後にアキラが口を開く。
「私の事、本当に覚えていないの?」
「あぁ分からんな」
「・・・今から7,8年位前にあんた家庭教師してたでしょ」
「・・・・・・・・・・あぁ、うん、してたな何処かの貴族の家で」
「その時の生徒だよ」
ヴェンデスは一瞬驚いた顔をした後、直ぐに表情を曇らせ。
「分かるかぁ!!」
と絶叫した。
「何で分からないんだ!?」
アキラも怒って言い返す。
「お前今幾つだ?」
「18だよ」
「じゃあお前その時10歳位じゃねぇか!!分かるか!!」
「な・・・
私が一級魔法使いになる時は先輩として待っているとか言ってたじゃない!!」
「そんな昔の話覚えてられるか!!
後、こんなに浪人するとは思って無かったんだよ!!」
「そもそも何でそんなに浪人してるのよ!!何の意味が有るのよ!!」
「イケる!!と思って毎回受けているんだよ!!」
「はぁ!?何回落ちていると思ってるの!?何でそれで毎回イケると思うんだ!?」
「毎年毎年勉強してるんだよこっちは!!」
「それで毎年毎年落ちてるんでしょう!?諦めたら?」
「はぁー!?諦めるだぁ!?何でイケそうなのを諦める必要が有るんだこのスカタン!!」
「・・・良い!!色々言い合うのは後にしよう!!」
「そうだな!!ここはやり合うとしようじゃないか!!」
再度真剣な顔で向き合う二人、そして・・・
アキラの後ろからチーズの奔流が流れて来る。
「え、ちょ、ま」
「ってなんだあああああああ!!?」
ヴェンデスもそのチーズの奔流に巻き込まれる。
カッテージの攻撃である。
この後彼等二人はカッテージの前に引き摺り出され
宝玉を全て奪い取られたのであった。
結果として彼等二人は試験に落ちた。
二次試験合格者はカッテージとクリアレスの二人になったのだった。
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