第116話【羮に懲りて膾を吹く】

でぶ妖精に変装していたポートの拳で三階から一階に叩き落とされたショコラ。


「良いか!!でぶ妖精に警戒しろ!!連中はでぶ妖精に変装している!!

でぶ妖精に警戒を絶やすな!!」

「「「お、おう!!」」」


でぶ妖精に警戒すると言う単語の妙な感覚に歯切れの悪い部下達。

そして上に進むショコラ達。


そして三階、再びでぶ妖精が階段に蔓延るエリアに入る。


「また来たー」

「いやー」

「良いか、お前達!!でぶ妖精に警戒を絶やすなよ!!」

「はい・・・」


ショコラ達はでぶ妖精に警戒しながら上の階に進んだ。


「・・・行った様だな」

「ええ・・・」

「・・・ふぅ・・・」


三階に留まっていたハック達は階段に出て来た。


「それじゃあ外に出るか」

「そうするか」

「行こう行こう」


ハック達は建物の外に出た、そしてけーさつでぶ妖精の元に戻った。


「おぉ帰って来た!!」

「如何だった!?ぷんすか!!」

「後は暫く待てば解決だよ」

「・・・如何いう事?」

「ふふん、まぁ見ていなよ」


ハック達がけーさつでぶ妖精の建物で一息ついている頃、ショコラ達は・・・


「くっ・・・奴等が居ないだと!?」


最上階まで調べたがハック達は既に居ない。


「でぶ妖精に変装しているからもしかして外に紛れ込んで出たのかも・・・」

「糞っ!!探せ!!一体一体でぶ妖精を調べ上げるんだ!!」

「「「は、はい!!」」」


破魔の刃のメンバーはでぶ妖精を一体一体調べ上げて捕まえる事を心がける様になった。

しかしそれはでぶ妖精の捕獲スピードがガクッと落ちる事を意味している。

そうなると唯でさえでぶ妖精を捕まえる事が嫌になったメンバー達は・・・


「うおおおおおおおお!!!もう嫌だあああああああ!!」


圧倒的なでぶ妖精の数に耐え切れず逃げ出し始めるのだった。

ハック達が一度攻撃してから姿を消した理由、それは

破魔の刃達の心に棘を残す為、無視するには重い・・・


「ハックのアイデアは中々良いぞ

破魔の刃の連中は忍耐弱い連中ばかりだからな

こういうのはクリティカルに効く」


ヴェンデスがハックを褒める。


「へへへ、でも忍耐弱いんですか?」

「あぁ、そも破魔の刃が言う魔王討伐自体忍耐弱い証だ

魔王とか何とか言う奴を倒しただけで世界全部が平和になりましたー

とかあまりにも勧善懲悪で物事を考えていない考え方だろう?」

「確かに・・・」

「まぁ奴等が忍耐弱いお陰でどんどん数が減って来ている・・・

これなら正面切って戦っても勝てると思うぞ」

「じゃあ行きますか!!」

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