第79話【求めよ、されば御飯はやって来る】

起きて朝食を食べる4人。

メニューはハムエッグだった。


「白米が欲しくなるな」

「醤油もね」

「それでクハル爺、一体如何するか決めたのか?」

「あぁ、終わったら久々に昔の相棒に会いに行こうと思う」

「・・・・・それってつまり?」

「儂はこの時代を生きるよ、過去には戻らん」


ほっとするハック。


「何でお前がほっとするんじゃ」

「いや、それはねぇ・・・」

「まぁ離れ離れは寂しいにょー」


もくもくと御飯を食べるでぶ妖精。


「・・・おでぶちゃんその白米は何処から?」

「フロントに行った頼んだら貰えたにょ」

「試してみるもんだなぁ・・・俺も行くか」


立ち上がるハック。


「でも醤油は貰えなかったにょ」

「じゃあ良いや」


座るハック。


「・・・これで行くか?」

「ん?如何いう事だクハル爺?」

「ローブを依頼人の元に連れて行くんじゃなくて逆アプローチ

依頼人をローブの元に連れて行く、これで行こうじゃないか」

「大丈夫なのか?」

「儂等じゃどうやってもローブを説得なんか出来ない

ならばローブと近しい依頼人に説得をして貰うのが答えじゃろうて」

「ふーむ・・・」

「とりあえず依頼人と会ってみないと駄目ですかね」

「そうだな、飯食い終わったら会いに行ってみるか」

「じゃあ早く食べられる様に手助けするにょ!!」


摘ままれるでぶ妖精。


「にょーん・・・」

「とりあえず大人しくお米食べろ!!」

「にょ・・・」


そんなドタバタが有りながら、食事を終えて依頼人の屋敷に行った4人。

メイドに話してリンへと取り次いで貰う事に成功した。


「ここに来たと言う事はローブは見つかった、と言う事ですかな?」

「見つかりました、が連れて来る事は出来ませんでした」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


長い沈黙、蒼褪めるリン、そして口を開く。


「ま、まさか死んだなんて言わないでしょうね!?」

「い、いえそうではありません」

「・・・・・」


その場にへたり込むリン、咳払いをして立ち上がる。


「それでは連れて来る事が出来ないとは如何いう事ですか?」

「我々も事態を呑み込めていないのですが

今日の夜、高台にローブが来ると言う事です」

「今日の夜・・・なるほど、では今日の夜に彼を連れて来て貰える、と言う事ですか?」

「いえ、我々では連れて来る事は出来ないでしょう」

「・・・何?」

「貴女にローブ氏の説得をお願いしたいのです」

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