第75話【時をかける男】

クハル以外の3人が振り返っても誰も居ない。

一体何の音かと不審がるとモニュメントがパカッと開き一人の男が出て来る。


「なん・・・だ?」

「誰だお前は?」

「!!」


慌てて逃げる男、だが転び倒れた。

ハック達は男に追い付き捕まえた、その男の正体は・・・


「もしかして・・・ローブ!?」

「え、な、何で僕の名前を?」

「探していたんだぞ!!」

「いや、ちょっと困ります」

「困る?困るって何だ」

「まだ修理が完了していないのに・・・」

「修理?このモニュメントか?」

「そうです、この鐘です」

「・・・鐘?」

「この鐘を鳴らせば僕は幸せだった頃に戻れるんです」

「何だそりゃ?」

「あの人が言っていたんです、あの人が・・・」

「あの人?一体誰・・・?」


目の前からローブがふっと消える。


「な、何だ!?」

「・・・・・下さい」

「!?」


目の前に薄っすらとせむし男が現れる。


「あー、あー・・・こえますか?」

「な、何だお前は!?」

「ん・・・もう しですね」


せむし男が実像を持って4人の目の前に現れた。


「せむし男・・・一体お前は何なんだ!?」

「私ですか、私は【    】と言います

と言っても貴方達には認識出来ない言語でしょう

ですのでせむし男で結構です」

「何・・・?」


指をパチンとならすせむし男。


「鐘の音が消えた・・・じゃと?」

「貴方と話すにはこうした方が良いと思いましてね」

「話す・・・だと?」

「そもそもお前は一体何なんだ?」

「私はとても親切な四次元人です」

「四・・・次元人?何だそれ?」

「この三次元の上の世界、それが四次元、私はそこから来たのです」

「全く意味が分からん・・・儂が物を知らんからか?」

「クハル爺安心しろ、俺達にも分からん」

「もっと分かり易く説明しろ」

「分かりました、平たく言うと私は未来や過去に自由に移動出来るのです」

「何だと!?」

「こ、これは予想以上にヤバそうな相手だ!!」


武器を構えるキョクとハック、そしてクハル。


「安心して下さい、敵意は有りません、私は善意で人々を手助けしているのです」

「手助け・・・だと?」

「そうです、私は人々を助けたくてこの街をシハツさんに作らせました

彼の事業は全て私の入れ知恵です」

「何だと・・・?」

「この街が無ければ人々の多くが飢え貧困に苦しんでいたでしょう」

「・・・ではその善意の男が儂やローブの前に現れたのは何でじゃ?」

「救ってあげたいんですよ、ただ純粋に」

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