2 転生したら魔族だった件

 〖鑑定〗したい!!


 えーっと、

 ──なんか画面みたいなのがでてきた。



 〜〜〜


 ・名前 榎田 孝

 ・種族 リッチー(種族ランクS)

 ・年齢 0

 ・ステータス

   Lv.1 HP115 MP141

   生命力43+1 筋力26+1 知力41+10 抵抗力19+1 器用さ38+7 素早さ32+1 幸運 40+11

 ・称号

  〖魔族の王〗〖賢者〗〖大魔導師〗 〖転生者〗〖祝福されし者〗

 ・個人スキル

  〖ドレインタッチLv.1〗

 ・ユニークスキル

  〖王の威光Lv.1〗〖賢者の知恵Lv.1〗〖大

 魔導士の魔術Lv.1〗〖勇者Lv.1〗〖収納空間Lv.1〗〖鑑定Lv.1〗〖言語理解Lv--〗〖女神サクラの祝福Lv--〗

 ・支配スキル

  〖指揮官Lv.3〗〖統治者Lv.3〗〖威圧Lv--〗〖畏怖Lv--〗

 ・魔法スキル

 〖火魔法Lv.3〗〖水魔法Lv.3〗〖風魔法Lv.3〗〖土魔法Lv.3〗〖光魔法Lv.3〗〖闇魔法Lv.3〗〖回復魔法Lv.3〗〖詠唱破棄Lv--〗

 ・支援スキル

  〖参謀Lv.3〗〖学習Lv.3〗〖看破Lv.3〗〖冷静Lv.3〗


 〜〜〜



 わからんけど強そう(小並感)。

 種族はリッチーでランクはS。

 このランクってやつはゲームで言うところのレア度みたいな感じかな。


 下に行くとHP、MP。これはわかる。体力、魔力だな。

 他の項目は──後で触ってみよう。


 続いて称号。

 色々あるけどとりあえずパス


 最後にスキル。


 〖勇者〗ってのが気になる。俺魔族だけど魔王倒さなきゃだめってこと?

 訳分からん、要チェック。


 あとはさっきもでてきた〖収納空間〗とか〖鑑定〗があったり魔法スキルがあったりする。


 あ、さっきから謎にもうひとりの自分がいるみたいになってるのは多分この〖冷静〗のせいだな。

 多分これ戦闘するときに慌てないようにってやつだと思うけど普段からだとさすがに不便すぎないかな……。

 レベル上げたら使いやすくなるのだろうか。


 そのほかの調べた方がよさそうなことは、称号とユニークスキルってのは関連がありそうってこととスキルだけレベルが3なことくらいかな。


 とりあえず大元の〖鑑定〗について調べることにする。


 ユニークスキル欄の〖鑑定〗の文字に触れるともう1つ浮き出るように小さな説明書きがでてきた。


 どれどれ……。



 〖鑑定〗

 目で見えているものや生物のステータスを見ることが出来るようになる。

 見える情報はLvに依存する。


 Lv.1では自分の情報と見たものの名前と種族名のみを知ることが出来る。



 と書かれている。


 うん、まあ予想通りだ。

 でも自分の情報を全て見れるとは思っていなかったからその点では予想よりも強いスキルなんだろうな。

 ユニークスキルなんだからその通りなんだけど。


 今のままでも十分強いとはいえ、後々戦闘とか政略とか商売とかに使える時が来るだろうから普段から使うようにしてスキルのレベルを上げていこう。


 続けてステータス欄の下半分を見てみる。

 しかし


 <生命力>

 生命を司る力


 というようにしか出てこなかったため詳細は分からなかった。

 上の数値との関連があるのだろうと推測はできるが、それが大きな意味を持つとも考えられないので放置でいいだろう。


 次は称号だ。

 まず初めに〖魔族の王〗から



 〖魔族の王〗

[説明]

 魔族を支配する存在であり彼らの畏敬を集める存在である。

[効果]

 ユニークスキル〖王の威光〗を得る。

 スキル〖支配者〗〖指揮官〗〖威圧〗〖畏怖〗〖闇魔法〗を得る。



 やはり称号とユニークスキルが関連しているというのは正解だったようだ。

 スキルまで称号で使えるようになっているとは思ってなかったが、別にそれで悪いことがある訳では無いので良しとしよう。


 とりあえず気になっていたことはわかったし他のものも見ていくことにする



 〖賢者〗

[説明]

 広範な知識を持ち王や勇者を支える存在であり人々の尊敬を集める存在である。

[効果]

 ユニークスキル〖賢者の知恵〗を得る。

 スキル〖参謀〗〖学習〗〖看破〗〖詠唱破棄〗〖冷静〗を得る。


 〖大魔術師〗

[説明]

 多彩な魔術を高水準で扱うことが出来る存在でありその魔術は国さえも滅ぼすことが出来ると言われる。

[効果]

 ユニークスキル〖大魔導師の魔術〗を得る。

 スキル〖火魔法〗〖水魔法〗〖風魔法〗〖土魔法〗〖回復魔法〗を得る。


 〖転生者〗

[説明]

 他の世界から生まれ変わりし者。勇者となり魔王を討ち滅ぼす使命を負う。

[効果]

 ユニークスキル〖勇者〗〖収納空間〗〖鑑定〗〖言語理解〗を得る。


 〖祝福されし者〗

[説明]

 女神の祝福を受けた者。他の者より運が良いとされ、光魔法への適性が高い。

[効果]

 ユニークスキル〖女神の祝福〗を得る。

 スキル〖光魔法〗〖鑑定〗を得る。



 ここまでくると称号がスキル取得の鍵になっているというのは間違いなさそう。


 あと転生者は必然的に〖勇者〗のユニークスキルがあるみたい。

 それなら魔王を倒す義務とか無いよね!


 最後はスキルだけどさすがに数が多すぎる。

 気になるスキルだけを見ていこう。


 外せないのは個人スキルの〖ドレインタッチ〗かな。



 〖ドレインタッチ〗

 触れている相手のMPを吸収することが出来る。

 吸収できるMPの量はレベルに依存する。


 Lv.1では1秒あたり2吸収することが出来る。



 魔法が主体のスキル編成にこれはバッチリ合っているんだけど、1秒あたり2ってなかなか渋いね。

 今の俺のMPが141だから全回復させようと思ったら70秒もかかっちゃうのか……。

 今のままだと直接戦闘では使えないかな……。


 当面は死にかけの魔物とかに使ってみよう。

 味方とかいればもう少し幅が広がると思うけどしばらくは1人だろうしね。

 せっかくの個人スキルだし、レベルを上げてもっと直接的に使えるようにしないとね。


 ユニークスキルはサラッと。

 戦闘に使えるスキルだと〖王の威光〗〖賢者の知恵〗〖大魔導師の魔術〗にはそれぞれ支配スキル、支援スキル、魔法スキルのレベルを+2する効果とステータスアップの効果が、〖勇者〗には魔族に対する防御と攻撃のバフがかかる効果があると書いてある。


 前の3つのおかげでスキルが軒並みLv.3になってるみたい。

 スキルレベル+2っていう効果がどれくらい強いのかがあんまりわかんないけど、ステータスアップもあるし弱いってことはなさそう。

 〖勇者〗は使いどころが無いかもしれない……。ちょっと保留かな。


 残りの3つ、〖収納空間〗と〖言語理解〗は文字通りアイテムボックスと自動翻訳機能なんだけど最後の〖女神サクラの祝福〗が



 〖女神サクラの祝福〗

 幸運の値が+10される

 MPの回復量を2倍にする



 幸運はともかくMP回復2倍っていうのは破格の性能じゃない??

 〖ドレインタッチ〗に使えるかのかはこれから検証しなきゃだけど、使えないとしてもアイテムの効果とかも2倍になるってことだし控えめに言って強い!!


 サクラ様〜!! 重ね重ねありがとうございます!! 大好きです〜!!

 毎日祈りを捧げます!!


 どこかに祈りを捧げる用の道具とか売ってないかな。

 街とか行けばありそう。

 けどそもそもサクラ様ってこの世界で信仰されてるのかな。

 なければ作ればいいだけの話か……。

 ってこんな話してる場合じゃないや。

 閑話休題



 スキルはとりあえず攻撃できそうな魔法スキルだけでいいかな。


 魔法スキルは大きくわけて3つ。


 1つ目が〖火魔法〗〖水魔法〗〖風魔法〗〖土魔法〗の4つが分類される<4属性魔法>でこれが基本的な魔法になるらしい。

 レベルが上がるごとに使える魔法が増えるみたいだけど今はクリエイト○○と○○ボールだけが使えるみたい。


 例えば〖火魔法〗だとクリエイトファイアーとファイアーボールが使える。

 ただクリエイト系は戦闘には使えないから生活魔法的な感じで使っていこうと思う。


 2つ目が〖光魔法〗〖闇魔法〗の2つが分類される<特殊魔法>。

 これは<4属性魔法>に比べると習得が難しいらしく、他の魔法に比べて新しい魔法が使えるようになるのに必要なレベルも高いと書いてある。


 今は〖光魔法〗がフラッシュ、〖闇魔法〗がポイズンという状態異常を引き起こす魔法が使える。

 どっちも使えそうだけど、特にフラッシュの方は目くらましにちょうどいいのでお世話になることになりそう。


 3つ目は〖回復魔法〗。

 今はHP回復しか出来ないけど説明文には状態異常回復も出来ると書いてあるからレベルが上がれば使えるっぽい。


 よし、こんなとこで終わろう。

 ここ普通に外だし敵が来たらやばい。


 手紙に書いてあった集落に向かいつつ───


 あ、最後に杖だけ〖鑑定〗してみよう。

 物を〖鑑定〗した時にどんな感じになるか見てみたいんだよね。


『聖魔の杖』を手にとる。

 重くもなく軽くもなくて、手に馴染む。

 さすが神様方からの贈り物って感じで振り回してみてもなんの違和感もない。

 これはいい相棒になりそうだ。


 〖鑑定〗!!



『聖魔の杖』

[種類]杖



 やっぱり〖鑑定〗の説明通りLv.1だと名前と種類だけが見えるみたい。なんもわかんないや。

 でも予想はしてたしこれはこれでいい。


 これで見たいものは全部見れたかな。

 まあ見逃してても後で見ればいいんだけどね。



 よし、気を取り直して杖とスキルの検証をしながら俺のはじまりの街へいざ出発だ!

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