シリーズ全体③ ボツ長編:策略家の皇子VS野心家の巫女姫(男)
リアナシリーズを書く前にも、長編と中編のファンタジーを書いたことがあり、ストーリーや設定をずいぶん転用した。この二作はどちらも残念な出来となった。
一作目は、「大国の王位をめぐって三人の兄弟が争うが、そこに第四の継承者があらわれる。神殿の閑職に追いやられていた巫女姫が、第四皇子として返り咲くため、第三皇子と手を組む。そこに隣国や騎馬民族の侵略の思惑が重なり……」というような、陰謀と愛の物語。(あらすじだけ読むとけっこう面白そうですね)竜や魔法はなく、架空戦記のようなジャンル? 後宮モノの要素もあるかな?
巫女姫(男)でお察しいただけると思うが、ボーイズなラブを目指して書いていたのでした。しかしこの巫女姫は野心が過ぎて自滅するタイプで、ツンデレで言うとツンが過ぎ、相手役の男性キャラを刺し殺そうとしたり自分の身代わりに破滅させようとしたりして、ラブどころではなくなってしまった。
陰謀モノの難しい点は登場人物が増えすぎることで、それぞれの野心や計画、愛と裏切り、みたいな話をごりごり書いていたら、話が散漫になりすぎて結末に至らなかった。
名作と比べるのはおこがましいが、ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」の原作小説みたいな収拾のつかなさであった。(当時はまだ読んでいなかったけど)
今なら、これを自作のGOT化、と呼びたい。
この姫や悪役たちの設定は、リアナシリーズの悪役アーシャ姫、エンガス卿などに流用された。ほかのキャラに比べてこの二人の設定がしっかりしている(名前など)のは、そのせい。
また、隣国アエディクラやイーゼンテルレにも、設定の名残がある。
この長編の失敗で学んだのは、
・キャラクターをたくさん出しすぎると話の収拾がつかなくなる
・オリジナル設定をたくさん出しすぎると読む人が疲れる
・ガチの戦争を書こうとすると50万字では足りない
ということであった。
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