第2話 1人
そして迎えた入学式当日。
『にしても女子多いなぁ、男俺だけじゃないよな』
と一人で笑いながら下駄箱に向かう。不思議なことに下駄箱なのにいい匂いでいっぱいだ。クラスを確認して入学式会場の体育館へ一人で移動した。まわりに男子が見当たらないのが少し心細かった。
自分の指定された椅子に座り式が始まるのを待つ。隣に座ってた女子が話しかけてきた。
『そっかー、今年から男子生徒も募集だもんね、よろしく!あ、名前は小池 音!』
中学生の時はほとんど女子と関わることのなかった為正直すごく嬉しかった。
『俺は小坂 光、よろしくね』
と少し声を低く言ってみた。そうか、よく考えると男の方が少ないって事か、つまりモテる。にやけが止まらなかったのでまわりに気持ち悪いと思われないようにマスクをつけた。それとほぼ同時に入学式は始まった。
開会の挨拶をしたあと校歌を先輩方が歌った。女子しかいないということもありとても綺麗な声だった。まるでここはハーレムじゃないか。そうのんきに考えていると校長の挨拶が始まった。なんと校長まで女だ。
『新入生の皆さん入学おめでとうございます。』
まわりが礼をしていたのでおくれて俺もした。
『この高校は伝統のある...』
長い話が始まった。女子校の校長だろうがどこの校長だろうが校長という生き物は話が長いらしい。しばらく居眠りを続けて目が覚めた時に校長の話はようやく締めに入った。
『です。新入生の男子1人女子199人の皆さん力を合わせ良い高校生活を送ってください。』
ようやく校長の挨拶が終わりあくびをしながら礼をした時、ふと思った。
『え、今男子1人って...』
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