「ナナシも同じだったか…」リオナが気落ちした様子でそう言う。ルメラも同じような感じだった。「それで、魔王の居場所はわかりましたの？」どうやら情報収集に行かなかったヒメヨだけが、呑気にそう言う。俺はヒメヨに魔王という人物が巷でどう言われているかを伝えた。すると、そんなことか、という表情で俺たちを見る。「ええ、そうですわね。で、その魔王の居場所は？」「え…知ってたの？魔王のこと」俺がそう言うとヒメヨは当たり前だという顔をする。「魔王がどういう人物かはどうでも良いのです！アナタ達はその居場所を突き止めなさい！」そう怒鳴るとヒメヨは一人でどこかに行ってしまったのだった。