107日目

「で、この先が死の谷…」ヒメヨに案内されてたどり着いたのは酷く寂しい土地だった。その先に険しく、深い谷があるのがわかる。ホミアはその光景を見ただけで少し怖がっているようだった。「はい…その、大丈夫ですか?」ヒメヨは申し訳なさそうに俺に聞いてくる。ここまで来たのだから今更大丈夫かと確認されても大丈夫としか言えないのだが。「とにかく、その試練をクリアして、ヒメヨさんを立派な王族にしてみせますよ」少しカッコつけてしまったがヒメヨさんは嬉しそうだった。ただ、少し気になるのは、王族がこんな危なそうな土地で、自身の身内に試練なんて課すのだろうか?

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