第32話 迷宮干渉実践

 「迷宮の拡張方法を教えてください。」


 「簡単だ。まずステータスを見てみろ。」


 「うん?分かりました。」


 「ステータス」



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


名前  :尾崎友斗

レベル :3 

種族  :人

称号  :迷宮から生まれた男 迷宮とともにあるもの 迷宮の代理人

年齢  :10歳

性別  :男

属職  :なし

状態  :正常

加護  :なし


生命力 :37/37

魔力量 :45/51

攻撃力 :17

防御力 :16

筋力量 :25

体力量 :24/24

耐久  :22

敏捷  :20

魔法威力:24

魔法制御:54

精神強度:56

知力  :40


スキル :日本語

     剣術LV5

     大声LV6

     観察LV7

     暗算LV4

     早口LV8

     石頭LV5

     忍耐LV17

     魔力操作LV22

     魔力隠蔽LV13

     魔素同調LV15

     毒耐性LV2

     隠密LV7

     腹時計LV5

     脱兎LV4

     思考の渦LV13

     空腹耐性LV1

     血抜きLV1

     集中LV12

     精霊語LV18

     魔力循環LV11

     水魔法LV7

     身体変魔LV2

     迷宮干渉LV1


スキルポイント:0

魔法  :生活魔法

     土魔法

     光魔法

     水魔法

     風魔法

     雷魔法

     氷魔法

     闇魔法

     火魔法


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



 ステータスを見てるとたった一日見ていないだけで結構変わっていることが見て取れる。魔力操作が上がってるのは常として、観察も忍耐も1つ上がってるし、腹時計や水魔法も上がってる。結構上がったので言えば、思考の渦と精霊語か。精霊語はロドアと念話したのが大きいかもしれない。ひょっこり身体変魔もスキルになってたりする。そりゃなるか。で、称号にはロドアが言っていた通り、迷宮の代理人が仲間入りしている。そして確実にロドアが言っているのはその下の迷宮干渉というスキルだ。迷宮干渉、うーん実に抽象的だ。どう干渉するんだろう。聞いてみよう。



 「この迷宮干渉っていうスキルで迷宮拡張するんですか。」


 「そうだ。」


 「どう拡張すればいいですか。」


 「まずはあなたが握っている迷宮核に魔力をもう一度込めつつ、干渉したい部分、拡張したい部分に手を当ててみてくれ。あっ、目を開けても念話は続けられるから目は開けてもいいぞ、そう、そこの壁でいい。その状態で迷宮をどう、どれくらい拡張するかを緻密に想像してみろ。」


 「想像・・・」


 一度にどれくらい拡張できて、どれ位魔力を必要とするか分からないから初めはほんのちょっとだけ壁がへこむのを想像する。話に集中するために自然に目をつぶってたけどこれはちゃんと壁を見た方法が具体的に想像できるのでじっくり見る。十分拡張後の壁を想像したところで、できるかどうか分からないがやってみよう。ふんっ。


 「あれ・・・」


 拡張はした。拡張はしたんだ。だけど想像よりも拡張できていない。もうちょっと干渉する気持ちでやらないとだめなのか。感覚が合ってないのかもしれない。直ぐ再挑戦しよう。


 うーん、近づいたけどもうちょっとかな。んじゃもう一回。えいっ。


 よかった、やっと想像したのと同じくらい拡張できた。なんか感覚としては初見もっと軽いと思ってたものを押そうとしたら重くて腰を入れて力こめて押したらやっと動いたような感じで想像していたよりも拡張しようと思わないと想像してた通りにはいかないみたいだ。まぁスキルレベルも1でまだまだこれからだし非力なのは仕方ない。幸い魔力がその分必要は必要なんだけど大量に必要って訳でも無く、干渉しようともっと強く念じるようにすれば少しは改善しそうだ。


 結構、拡張できたことで達成感はあるんだけど、実際は壁を少しへこませただけで文字通り拡張したとは言えないと思う自分もいる・・否、これは立派な拡張だ。うん、拡張、できた!


 とは言ってもこれでは階段とか自分が作りたいものを置く空間を作るのは骨が折れそうだ。否しかし、今はレベル1でもこれから干渉しまくればレベルも上がって干渉しやすくなるし、さっきのはほんの小手調べだからそんなに一寸先は闇みたいな状態でもない、致命的なほど楽観しすぎるのはだめだが楽観して作業が気分よくできるならそっちの方が楽だし拡張は頑張ればいける。


 そう締めくくったところで、開けたら閉める、何か引き出しから出して用が済んだら片づけるように少しへこませたこの壁、特に壁が鏡のように真っ平らつるつるということでもなく普通に洞窟のようにごつごつしているんだけどやっぱりへこませているから少し変な感じもするし元に戻そうか、これも経験になるだろうと思い至り、今度は拡張じゃなくて縮小する感じでやることにする。壁に手を押し当て干渉は思ってるより強めに意識して、初縮小やってみますか。



 干渉強めに、そういう先程の反省は仇になったようです。ほら見てご覧なさい。あーら、壁に小さな小山のようなものがあるではありませんか。拡張とは適切な干渉度合いが違うようです。元に戻そうと縮小した途端壁が盛り上がり、自分は自分が縮小してできた山に押され後ろに少し飛んで尻餅をついてしまいました。お尻が少し痛かったです・・・・はぁ、好奇心の趣くままに戻そうとやってみたら前よりも悪化してしまった。やる前にロドアに聞いときゃ避けられたし初めてすることで、迷宮に関することはロドアに聞いとけばよかったな。うん、これは大事。一応また元に戻す前にロドアに聞いてみよう。


 「やっぱり、縮小って拡張よりも必要な魔力も減るし、干渉もそこまで強くしなくていいんですか。」


 「あぁ。実感したとは思うがそうだ。縮小の方がコストはかからない。そして元に戻すなら、一度拡張したところは拡張してから一定時間、干渉しやすくなっているから今のうちに拡張したらいい。」


 ほぉ、それはお得。


 「ありがとう、早速やります。」


 今度の拡張はさっきよりは楽だった。でも縮小よりは抵抗あるし、一気にやるといき過ぎるから最初は多目に拡張して、徐々に減らして整えるように拡張していく。完全には元に戻らないけどほとんど戻ったしこれで満足だ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る