世界を超える

@Ryotabc

第1話 画面の中の色

今日27歳になるはずだった彼が画面の向こうで歌う

その声は、今もこの世界に残されていて色褪せていない

その姿が僕たちの目に届いて、もしかしたら以前よりも多くの人に知られるのは

皮肉にもその、色褪せたように見える写真からなのかもしれない

遺影だったりネットの記事であったり他者により語られる彼の姿は生きてはいない

ならばなぜ、その歌声は尊く懐かしくも感じられるのか

言葉は世界を超える

僕の心は、ここにいるけれども

いつかそれがなくなってしまったときには、僕の何がここに留まることができるのだろう

なくならずに残るものは、なにだろうか

僕は、誰かに僕の色を知ってもらいたい

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