第38話 普通

「なんで普通のことができないの」


「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい…」


「普通じゃないことを誇りなさい」


「はい」

………


「私は普通じゃないことを誇りながら、普通に生きなければならない」



陸の魚は泳げず

畸型の蝶は飛べず

冬の桜は散る

我が生は

ただそれらの

瞬きの間の不気味な

足掻きにすぎない

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