第37話 流血
左腕の流血を眺めて
この身に望まれるべくだった
思いの残滓を視る
流れ出る血の
地に滴るように
堕ちていく私の
醜い様の在処に
天使の残り香を捨てて
灰を纏う死神の憂いに
かつての母はどれほどの
愛おしさを諦めたのだろう
ごめんなさいと口にして
ライターの火を灯す
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