第13話 二律背反
私は叫んだあともう1回だけ抱きついてやることにした。すると少し気を使ってくれたのか頭を撫でてくれた。君は前も抱きついた時によく頭を撫でてくれたよね。嬉しいのになぜか寂しかった。
『よし、今日のリア充タイムはここまで!お腹減った!野菜取りに行くよー!』
私から抱きついたのに少し恥ずかしくなって強引に話題を切り替えた。君は
『さっき野菜取りに行ったからたくさんあるだろ?』
と半笑いで言ってきた。
あれ、野菜取りに行ったっけ。私また忘れちゃったのかな。さっきのことみたいだけど。まぁいっか。
『そうだった!』
そう言って私はスキップしながら小屋に戻った。
僕は急に抱きついてきた鈴に少し戸惑ったが受け入れ、気づいた時には鈴の頭を撫でていた。あれ、僕ってこんなことするやつだっけ?まぁいいや。まだ好きとは言えないが僕は鈴に興味をもった。思い出せるのかなと不安になりながら頭を撫で続けた。すると急に鈴は『よし、今日のリア充タイムはここまで!お腹減った!野菜取りに行くよー!』
とはしゃぎだした。本当に僕は鈴を好きになるのだろうか、半信半疑な気持ちだったがなぜか笑えた。あ、そうだ
『さっき野菜取りに行ったからたくさんあるだろ?』
鈴は物忘れが激しい。少し間があいて
『そうだった!』
と鈴は元気そうにスキップしながら小屋に戻った。スキップをしているのにどこか背中は寂しそうだった。僕は少し不安になりながらも小屋に戻った。
外は曇になって、森は黙り込んでいた。
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