月1で焼き肉を食べる仲に

尾形昭

第1話なんとなく友達に

 永原俊子高1。高校全共闘の集会を校門横で開いていた。松田和彦に声を掛けた。

「一緒に参加しませんか」

「いいよ」

「ありがとう」


 松田も1年生だった。クラスは別だった。初対面だった。


1週間後、和彦が俊子を誘った。

「焼き肉食べに行こうよ」

「嫌よ、気持ちが悪いわ」

「確かに、胃や腸を食べるのは気持ちが悪いかも知れない」

「ロース肉やバラ肉なら普通の牛肉だよ」

「なら、食べてみるわ」

「おいしい、タンもミノもおいしい」


1週間後に、和彦が

「梅田に行こうよ」

「何しに行くの」

「レコード屋を見たり、喫茶店に行ったり、カレーを食べに」

「このカレー辛いけどおいしい」


1週間後

「心斎橋に行こうよ」

「何しに行くの」

「レコード屋を見たり喫茶店に行ったり、ラーメン食べに」

「このラーメンおいしい」


1週間後

「ここに行こうよ」

「エーッ、ここって男と女が愛し合う所でしょう」

「私経験ないのよ。それに16だし」

「16歳は普通だよ。誰だって初めては初体験だし」

「こう言う事はタイミングだよ」





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