22 少年の歌

私は歌です

私には友達がいます

十歳の少年でした

いつも

少年は私に竪琴を弾きました

私は少年のそばで響きました


私は歌でした

私は声を亡くしました

声がなくては少年と話をすることも

少年に会うこともできません

それでも

寂しくなった私は空を裂いて叫びました

叫びはたった20Hzとなって響きました


声のない歌には何も聞こえません

その正弦波は誰にも見えません

誰か

私を見つけてください

私を再び歌にしてください

私は歌です

私は歌でした

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