連載 最強の転生者の俺は可愛い仲間達と冒険に しかし俺は世界一無能だった

あつし

第1話



ひょいっとかわし


俺は試験官の喉元で剣を止めた



「勝者 アデル」


ふぅ まあ 楽勝だね


「まさか ここまで強いとは」


俺は試験に集まった冒険者だけでなく 試験官よりも強くなったようだ


「では アデル こちらに アデルとパーティーを組みたい者は手を上げてくれ」


すると 全員が手を上げた


「アデル パーティーは6人だから 自由に5人を選ぶといい」


おおっ 俺が決めてもいいのか それなら







俺は冒険者ギルドの試験を受けに街に来ていた

この国の成人は15歳

誰でも15歳になるとギルドの試験を受けることが出来る

試験の結果で 強い人から順にパーティーを自由に選ぶことが出来るのだ

フィオナ ユーナ リナ アイラ シエナ もちろん可愛い順に選んだ


俺は毎日 彼女達と……





「アデルはいつから剣の稽古をしているの」


「俺 俺は15歳からだよ」


「えっ 最近からなの 天才なのね」


「あっ 何年も頑張ってるよ」


「本当かしら でも アデルなら魔王を倒せるようになるんじゃないかしら」


「私も そう思うわ」



この世界では才能のある強い男がモテルようだ


捨てられないように努力しないとね


俺は週に一度休みを作り 休みの日は1人で魔物退治に





俺達のパーティーは どんどん強くなっていった


普通はスライム退治から始めるのだが 俺達はオーク退治から始めたので 入る経験値が他のパーティーとは違う



「お知らせがありま~す」


「どうした リナ」


「実は 今日の戦いで 回復魔法を覚えました 明日から回復魔法が使えます」


おおっ それは凄い


「それじゃあ 今日はお祝いだね」







ねぇ アデル


どうした フィオナ


ふっふっ 何でもない


そう言って フィオナは俺にキスを


俺はフィオナを抱きしめ


そして


キスを


フィオナの青い瞳 長く綺麗な髪


風呂上りの石鹸のかおり


俺はフィオナと何度も何度も


……





実はね 私 必殺技を覚えたのよ


へぇ~ それは凄いね 俺もうかうかしてられないな


そうよ これで アデルと同じくらいの攻撃が出来るかもね







仲間達はどんどん強くなっていった


「アデル 話しがあるの」


「どうした アイラ 何か困ったことでもあるのか」


申し訳なさそうな顔をして しばらく沈黙していたが アイラが口を開いた


「パーティーを抜けたいの」


「えっ みんなには 相談したのか」


するとみんなが部屋に入ってきて シエナが


「私達もパーティーを抜けようと思っているの」


「みんなか」


全員コクリと頷き そして 部屋を出ていった


すると フィオナが戻ってきて


「アデルは魔王を倒せるくらい 強くなるって思ってた でもアデルは努力をしなかったでしょ ごめんね」


そう言って また 部屋を出ていった


俺のレベルは21になったが みんなのレベルは22に


俺は誰よりも努力をしていた


休みの日も1人で魔物退治に行っていたのだが……






俺は1人になった


俺は4年間も頑張ったのに 仲間達はわずか3ヶ月で俺を超えてしまった


はぁ やっぱり 才能のある強い男でないとダメなのか


俺はスキル等を いっさい使うことも覚えることも出来ない


誰よりも努力をしているつもりなのだが 周りからはそのように見えないのだろう




俺は1人で街を出た


どこか 遠い街に 俺のことを誰も知らない街に


俺は魔物退治をしながら1人で旅を続けた







「君 強いね もしかして 今から ギルドの試験を受けに行くのかい」


えっ そうか もうすぐ そういう時期か


ギルドの試験は1月20日か


「そうですね 15歳になったので この先の街で受けようと思ってます」

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