第6話 はしご 

はしごを 登って 

天国へ 行きたい


高いところまで来ると

長い黒髪が 風に吹かれて なびくから

ふと 地上を見下ろす


夕日 町並み 人の往来

その全てが 美しく見える


でも どうして あそこにいると 見えないんだろう


どうして 苦しむんだろう

どうして 見失うんだろう


どうしてだろう?

許す?


背負えない 自分を

背負ってくれない何かを 誰かを


明日からもきっと

同じ毎日が続いて


また そのうちに 

はしごを 登りたくなるだろう


でも また 私はきっと 

高いところまで行くと


夕日を見て 地上の美しさに

後ろ髪を引かれ きっと生きるんだ


これまで続いた日々も

これから続くであろう日々を

無条件で 抱きしめられますように




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