No.19 やはり俺の青春は間違っていない!

「おはよう!」

翔は元気よく挨拶をした。

「お、おはよう。」

友人はそれを返す。

「昨日のテレビみたー?」

「見ましたよ、はい。」

友人は敬語で返す

「なんで敬語なんだよ。白々しいなー。」

翔は不服そうにそう言った。

「そ、そうか?いつも通りだが。」

たじろぎながらもそう答える友人に翔は話を続ける。

「そうそう、それでさぁ…」

翔と翔の友人の横を2人のナースが通りかかる。

「可愛そうねぇ、あの子。あんなのに目をつけられて。」

「何せ、あの人は精神疾患で自分のことを翔という名前の高校生と勘違いしてるらしいわよ。」

「ええ!それって本当?」

「しっ、声が大きい。あの、テレビ番組がどうのっていうのも、いつの記憶か分からないわよ。何せ、実年齢はもう40近いらしいから。」

「はぁ~、可愛そうねぇ。」

真っ白い病院の中を、真っ白い制服を着たナースが通り過ぎる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る